筆者の実母は、出産以外に入院したことがないくらい病気には無縁の人生を送ってきました。しかし、先日脳梗塞で緊急入院。母だけでなくその家族も病気知らずでしたので、入院に際しては分からないことだらけです。
親が70代になると、現実味を帯びてくる「親の入院」。実際に身内が入院して分かった「入院したらどうなる?」をお知らせします。
お見舞いが大変…
筆者は、親と会うのは2~3か月に1回くらいしかあっていませんでしたが、入院した今は兄弟と交代で週2~3回お見舞いに行っています。
誰だって、入院すれば不安なもの。育ててくれた親を誰も見舞いに行かず1週間も放っておくわけにはいきません。筆者の場合、3人兄弟で、且つ病院まで1時間くらいなので何とか通えていますが、普段なかった「お見舞い」という生活動線が加わります。どうしても、自分の家庭の家事がおざなりになります。
加齢による衰えは、順番です。自分たちも、いつまでも元気でいられる訳ではありません。夫や子供たちに状況を分かるように説明して、家事の協力を求めることも大事です。孫である筆者の子供たちも普段会っていたおじいちゃんやおばあちゃんが入院して、見た目が変わったりして驚いていました。でもそれは避けられない「老い」という現象で、「誰しもそうなる時が来る」ということを学ぶある意味いい機会にもなります。
お見舞いは大変ですが、実は実家の母にしょっちゅう会える大義名分だなとも思っています。
母親が入院した場合、父親のケアも考えなくてはならない
40代のパパママだったら、その父親母親は60~70代です。母親が入院した場合、父親のケアも考えなくてはならなりません。この年齢層の父親の中には「自分の靴下がどこにあるかわからない」という人もいます。それくらい、奥さんである母親に依存している父親もいるのです。
父親が自分の事は自分でどれくらいできるか?は、その家庭によって異なりますが、子供たちが面倒を見なくてはならないことが多いのもまた事実です。ほかのうちのお父さんの話ですが、健康上の理由でお酒を控えなくてはいけないのに、お母さんが入院したことでセーブする人がいなくなり、子供たちに「お酒は控えるよう」にといわれていたのにも関わらず隠れて飲んでいたなんてケースもあります。
それは極端な例ですが、自分でご飯を作れない場合は外食やコンビニ弁当ばかりになってしまい、父親まで具合が悪くなってしまう「二次災害」が起こらないとも限りません。特に、入院したては一日に一回は安否確認の電話を掛けるなどして、なるべくケアしてあげたほうがいいなと思いました。
筆者はいつも母親あてに電話をかけていましたが、入院後は父親あてに電話を掛けるので、まんざらでもない雰囲気が伝わってきて面白かったです(笑)。娘が心配して電話をかけてくるというのが案外嬉しいものなのだなと、こんな機会に気が付きました。
分からないことは、とにかく聞く&メモする
過去に家族が入院したことがあれば、大体の段取りは分かります。でも、まったく初めてだと何をどうしたらいいのかさっぱり分かりません。分からないことは、看護師さんや主治医の先生にどんどん聞きましょう。
「先生の手間を取らせるのは申し訳ない」「看護師さん、忙しそうだから質問しづらい」確かにそうです。でも、彼らはプロフェッショナルです。今回母が入院したのは、金婚式を控えているタイミングでした。「もうあきらめるしかないかな…」とも思いましたが、ダメもとで主治医の先生に「金婚式を予定したのですが外出できますか?」と聞いたら、あっさり「かまいませんよ」とのこと。予定していた旅行は諦めましたが、金婚式で外に出られることが分かっているので、母も何とか頑張れています。
治療のことも、分からないことはどんどん聞いた方が、コミュニケーションもスムースに取れます。実際、治療方針の説明の際に主治医の先生に質問したら熱心に説明してくれました。聞いたことはすぐに忘れるので、メモをしながら話を聞くと後で振り返った時の手掛かりになります。例えば「介護主治医意見書」という書類があるのですが、「かいごしゅじいいけんしょ」と口頭でいわれても、頭の中で全く変換できませんでした。先生に3回くらい聞いちゃいました。(笑)