国税庁が2026年9月に公表した「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、民間の事業所で1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円で、前年から1.9%増えました。

同じ調査を業種別に見ると、平均給与は14業種のあいだで3倍ほどの開きがあります。賞与に絞ると、その差はさらに大きくなります。

この記事では、令和7年分の業種別の平均年収を14業種すべて一覧にし、平均賞与と、給与に占める賞与の割合も業種ごとに確認します。

1. 令和7年分の業種別の平均年収は「電気・ガス・熱供給・水道業」の854万4000円が最も高い

民間給与実態統計調査では、給与所得者が勤める事業所の業種を、日本標準産業分類にもとづいて14業種に分けて集計しています。ここでいう給与は、1年間に支給された給料・手当と賞与の合計で、税金や社会保険料を差し引く前の金額です。

令和7年分 業種別の平均給与1/2

令和7年分の民間給与実態統計調査による、14業種の平均給与を高い順に並べた横棒グラフ。最も高い電気・ガス・熱供給・水道業と最も低い宿泊業,飲食サービス業を強調している

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」第9表をもとにLIMO編集部作成

【業種別の平均給与(1年を通じて勤務した給与所得者)】

  • 電気・ガス・熱供給・水道業:854万4000円
  • 金融業,保険業:725万6000円
  • 情報通信業:681万9000円
  • 建設業:590万3000円
  • 製造業:573万円
  • 学術研究,専門・技術サービス業,教育,学習支援業:567万9000円
  • 不動産業,物品賃貸業:512万5000円
  • 複合サービス事業:509万5000円
  • 運輸業,郵便業:482万5000円
  • 医療,福祉:424万円
  • 卸売業,小売業:413万4000円
  • サービス業:401万7000円
  • 農林水産・鉱業:393万7000円
  • 宿泊業,飲食サービス業:275万8000円

平均給与が全体の平均を上回ったのは、電気・ガス・熱供給・水道業から複合サービス事業までの8業種です。残りの6業種は全体の平均を下回りました。

2. 最も高い業種と最も低い宿泊業,飲食サービス業の平均年収は約3.1倍の差

最も低い宿泊業,飲食サービス業の平均給与は275万8000円でした。最も高い電気・ガス・熱供給・水道業の854万4000円と比べると、差は578万6000円で、約3.1倍にあたります(倍率はLIMO編集部で計算)。

2番目に高い金融業,保険業は725万6000円、3番目の情報通信業は681万9000円です。上位3業種はいずれも、全体の平均給与を190万円以上上回っています。

3. 業種別の平均賞与は金融業,保険業の173万1000円が最も多く、宿泊業,飲食サービス業の約10.3倍

平均給与を給料・手当と賞与に分けると、業種による差は賞与のほうが大きく開きます。平均賞与が最も多いのは、平均給与で2番目の金融業,保険業で、173万1000円でした。

令和7年分 業種別の平均賞与と、平均給与に占める賞与の割合2/2

令和7年分の民間給与実態統計調査による、14業種の平均賞与を多い順に並べた横棒グラフ。各業種の平均給与に占める賞与の割合を括弧内に示している

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」第9表をもとにLIMO編集部作成(割合はLIMO編集部で計算)

【業種別の平均賞与(括弧内は平均給与に占める割合)】

  • 金融業,保険業:173万1000円(23.9%)
  • 電気・ガス・熱供給・水道業:163万8000円(19.2%)
  • 情報通信業:124万3000円(18.2%)
  • 製造業:111万9000円(19.5%)
  • 複合サービス事業:100万1000円(19.6%)
  • 学術研究,専門・技術サービス業,教育,学習支援業:99万8000円(17.6%)
  • 建設業:86万8000円(14.7%)
  • 不動産業,物品賃貸業:68万3000円(13.3%)
  • 運輸業,郵便業:59万8000円(12.4%)
  • 卸売業,小売業:57万9000円(14.0%)
  • 農林水産・鉱業:53万7000円(13.6%)
  • 医療,福祉:52万9000円(12.5%)
  • サービス業:45万9000円(11.4%)
  • 宿泊業,飲食サービス業:16万8000円(6.1%)

3.1 給料・手当の差は約2.7倍、賞与の差は約10.3倍

宿泊業,飲食サービス業の平均賞与は16万8000円で、金融業,保険業との差は約10.3倍です。一方、毎月の給料・手当の年間平均で比べると、最も多い電気・ガス・熱供給・水道業の690万5000円と、最も少ない宿泊業,飲食サービス業の259万円の差は約2.7倍です(倍率はLIMO編集部で計算)。

3.2 平均給与に占める賞与の割合は、金融業,保険業が23.9%で最も高い

平均給与のうち賞与が占める割合は、全体では15.4%です。金融業,保険業は23.9%で、年収のおよそ4分の1を賞与が占めています。宿泊業,飲食サービス業は6.1%にとどまり、年収のほとんどが毎月の給料・手当でした。

令和7年分の業種別の平均年収は、電気・ガス・熱供給・水道業の854万4000円が最も高く、宿泊業,飲食サービス業の275万8000円との差は約3.1倍でした。

賞与で比べると、金融業,保険業の173万1000円と宿泊業,飲食サービス業の16万8000円で、差は約10.3倍に広がります。同じ「平均年収」でも、毎月の給料・手当と賞与の比率は業種によって大きく違います。

ここからは、銀行で家計のお金のご相談に携わってきた経験をもとに、前年から平均年収が下がった業種と、業種別の平均年収を自分の給与と並べるときに見ておきたい点を確認します。

中本 智恵

賞与の割合が高い業種では、年収のうち業績によって変わる部分が大きくなります。毎月の暮らしは給料・手当の範囲で組み、賞与は使い道をあらかじめ分けておくと、支給額が変わった年にも家計の見通しが立てやすくなります。