入社した会社にガッカリしないためには、事前に「ブラック企業ではないか」を見極めておくことが大切です。では、どのような点を確認しておけばいいのでしょうか。就職活動をした人に、ブラック企業の見極め方を聞いてみました。

・「厚生労働省や安全衛生優良企業マーク推進機構のウェブサイトで、ブラック企業と判断されたリストを見ておきました。中小企業や小規模の企業は載っていませんが、注意すべき大企業を知ることができましたよ」

・「最近では、企業の労働環境に関する口コミがネット上に多く集まっています。会社に応募する前は、必ずその会社の口コミを調べていました。ブラック企業大賞のサイトにも目を通しておきましたよ」

・「辞める人が多いということは、なにかそれなりの理由があるはず。なので、離職率を調べておきました。離職率が分からなくても、『人材を募集する頻度』や『採用する理由』である程度予測することもできます」

女性が経験した「ブラック企業」その実態とは

「ブラック企業」は男女問わずすべての従業員を精神的・肉体的に追い込みますが、「女性だから」という理由だけで理不尽な扱いを受けたことがある人も。

・「入社日に、『女の子はうちの会社の社員のお嫁さん候補として雇ってるからさ』と、直属の上司に当然のような顔で言われました。この会社は第一希望でやっとの思いで入社しました。これからの社会人生活、期待に胸をふくらませていたけれど、一瞬にして消え失せました。また、その上司の言葉は職場に響き渡りましたが、誰も否定も何もしなかったことがもっとショックでした」

・「『新入社員は始業時間の30分前の出社するように』と、上司に伝えられました。私は同期社員と同じように始業時間の30分前に出社していました。たまたま上司が早く出社してきた日に『え?いや…女の子はもっと早く来ないと。せめて40分前は当たり前だよね。女の子は気が利くから雇ったのに…。男と同じようにしてちゃダメだよ』と注意されました。そもそも始業30分前に出社しても何の手当てもないのに、女性はもっと早く出社しないと認められないんだ…と思うと、絶望感でいっぱいになりました」

・「私が妊娠した途端、急に冷たくなった女性の先輩がいました。気にはなっていたものの、引継ぎなどの目の前の仕事をこなすのに精一杯で、どう対処して良いかも分からず、その先輩を避けるようになっていました。
産休が近づいたある日、『あなたみたいに、当たり前のように育休を取るような人が職場にいると、同じ女性が迷惑するの。これだから女はって言われるのは、ずっと会社にいる私たちなんだから』と、その先輩に突然言われました。ショックで先輩のことを恨みましたが、実際に『これだから女は』という言葉を男性の上司などに言われているようでした。誰かが妊娠すると、今まで以上に空気が悪くなるうちの会社。長くは働けないと思いました」

女性の社会進出が進んでいるとはいえ、妊娠・出産で仕事ができなくなる時期があるのは女性です。それをあからさまに迷惑そうにしたり、「そもそも期待していない」という態度をとったり、その逆に「女性なんだから」と多くの雑用を押し付ける、などの行為はまだまだあるようです。

ブラック企業からの転職で失敗しないために

なかには、「今働いている会社がブラック企業だ」「転職したいが、またブラック企業だったらと不安を感じている」という人もいるのでしょうか。せっかく転職をするなら、今度こそ恵まれた労働環境で働きたいですよね。そこで、ブラック企業からの転職に成功した方に、気を付けていた点を聞いてみました。

・「転職では即戦力が求められているため、自分にはどんな力があるのかを分析しました。自己分析だけではなく、身内や友人など第三者の意見も参考にしましたよ」

・「別の会社からやって来たばかりの人が、あれこれと意見を出しすぎるとギクシャクしてしまうはず。そこで、転職後はしばらく周囲と馴染めるよう意識しました」

・「『前の職場はこうだった』『あっちの方がよかった』といった発言は、周囲から嫌がられてしまいます。新しい職場で良好な人間関係を築いていくためにも、前に職場と比較するような言動は避けておきました」

まとめ

ネット上の情報や口コミを調べると、その会社で働いていた人の声や公的なデータを知ることができます。飲食店などの場合は、実際に店舗へ足を運ぶのもいいですね。スタッフの表情だけではなく、同じ人が毎日のように働いていないか、長時間に渡って勤務していないかも確認しておきましょう。

多くの情報や自分の実体験を通じてブラック企業かどうかを見極めておけば、入社・転職した会社にガッカリした…という可能性を下げることができますよ。後悔しないためにも、気になる会社の情報は入念にチェックしておきましょう。

【参考】
ブラック企業」非営利一般社団法人 安全衛生優良企業マーク推進機構
 

LIMO編集部