2019年8月1日に行われた、三井化学株式会社2020年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:三井化学株式会社 コーポレートコミュニケーション部IRグループリーダー 小池太郎 氏
1)2019年度第1四半期 事業概況及びトピックス
小池太郎氏:みなさまこんにちは。三井化学IRグループの小池です。弊社ネットカンファレンスにご参加いただき、誠にありがとうございます。
本日、弊社は2019年度第1四半期決算及び2019年度通期業績予想を発表いたしました。まず2019年度第1四半期決算の概要をご説明し、続きまして2019年度業績予想の概要をご説明いたします。
スライドは2019年度第1四半期の事業の概況及びトピックスを記載しています。こちらの説明は割愛いたしますが、まず、この第1四半期の全体感に関して申し上げます。
当社が強化している成長3領域については、おおむね前年同期並みに推移しました。一方、基盤素材事業での海外市況下落の影響により、全体では営業利益が前年同期比で減益となりました。
経常利益についても、営業利益の減益に加え、持分法投資損益の減少等により、減益となりました。
これを受け、2019年度上期の売上高及び利益見通しについて、前回発表値から下方修正しましたが、こちらについては2019年度業績予想の概要のなかでご説明いたします。
2)決算の概要①
第1四半期決算の概要でございます。
売上高は3,428億円、前年同期比135億円の減収となりました。営業利益は207億円、前年同期比56億円の減益。経常利益は198億円、前年同期比116億円の減益です。親会社株主に帰属する四半期純利益は125億円、前年同期比で110億円の減益となりました。
為替レートは110円で、前年同期比1円の円安です。国産ナフサ価格はキロリットル当たり45,400円、前年同期比で3,400円の下落となりました。
2)決算の概要②
有利子負債につきましては、5,084億円で、前年度末に比べ234億円増加しました。現預金を有利子負債から控除したNet有利子負債は4,175億円で、前年度末から435億円増加しました。
なお、決算短信に記載のとおり、IFRS及び米国基準を適用している在外子会社にて、この第1四半期よりリースに関する基準を適用し、すべてのリース取引を貸借対照表にリース資産及びリース債務として計上することにしております。有利子負債増加のうち、217億円がこのリース債務の増加による影響です。
自己資本は5,492億円で、前年度末とほぼ同水準となりました。この結果、Net D/Eレシオは0.08ポイント悪化し、0.76となりました。なお、この悪化のうち、有利子負債増加で触れましたリース債務の増加による影響が、半分程度含まれております。
自己資本比率については、前年度末と同水準の36.8パーセントとなりました。連結対象会社数は、増減ございません。
3)セグメント別 売上高・営業利益の内訳(増減分析 対前年決算)
セグメント別の売上高・営業利益の内訳及び対前年同期の営業利益増減分析でございます。
売上高合計は、前年同期比で135億円の減収となりましたが、モビリティ・基盤素材を中心に、原料価格下落による販売価格改定等の影響が出ております。
営業利益合計は、前年同期比で56億円の減益となりました。数量差は合計で19億円マイナスとなりました。交易条件は、主として基盤素材における買い替え市況下落の影響で40億円マイナス、固定費他は3億円プラスとなりました。
まずモビリティですが、売上高が941億円、営業利益が101億円となりました。
営業利益の増減要因は、エラストマー・機能性コンパウンド等、一部製品でグローバルでの自動車生産減速の影響を受けましたが、日系顧客向けを中心に、海外PPコンパウンドは堅調、ICT関連用途は確実な需要に対応し、数量差については、ほぼ前年並みの1億円マイナスとなりました。
交易条件は2億円マイナスです。固定費他は販管費、研究費の増加により、4億円マイナスとなりました。
続いて、ヘルスケアにつきましては、売上高が352億円、営業利益が38億円となりました。
営業利益の増減要因ですが、眼鏡レンズ用材料は堅調、歯科材料の販売は安定的に推移しましたが、不織布の販売減により、数量差は2億円マイナスとなりました。交易条件は3億円プラス、固定費他は1億円プラスとなりました。
フード&パッケージングは、売上高が456億円、営業利益が33億円となりました。
営業利益の増減要因は、機能性フィルムシートの包装フィルムの販売減、期ズレによる農薬の販売減で、数量差は8億円マイナスとなりました。交易条件は3億円プラス。固定費他は、コストダウン等により、5億円プラスとなりました。
基盤素材につきましては、売上高が1,635億円、営業利益が61億円となりました。
営業利益の増減要因は、数量面では国内ポリオレフィン事業を中心に販売が堅調に推移しましたが、数量差で8億円マイナス。これは主に市原工場での設備不具合の影響が出ております。
交易条件は、主として海外市況の下落により44億円マイナスです。固定費他は3億円プラスとなりました。
「その他」セグメントは、2億円マイナスとなりました。
4)営業外損益及び特別損益の内訳
営業外損益及び特別損益の内訳を記載しております。
営業外損益の合計は、9億円マイナスとなりました。前年同期比で60億円の減益となりましたが、これは主に持分法投資損益、為替差損益、及び「その他」項目でのマイナスの影響によります。
下段の特別損益の合計は14億円マイナス。前年同期比で9億円マイナスとなりました。
5)貸借対照表
貸借対照表でございます。総資産は1兆4,906億円で、前年度末に比べ105億円の減少となりました。純資産残高は前年度末に比べ46億円減少しました。このうち、株主資本は四半期純利益の計上を主因に、25億円増加しました。
6)キャッシュ・フロー計算書①
キャッシュ・フロー計算書です。営業活動によるキャッシュ・フローは116億円です。投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス196億円。この結果、フリーキャッシュ・フローは80億円マイナスとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いを主因に、116億円マイナスとなりました。
1)2019年度第2四半期以降のトピックス
2019年度業績予想の概要についてご説明いたします。冒頭に申し上げましたとおり、第1四半期の決算を踏まえ、2019年度上期の売上高及び各利益項目の見通しについては、前回発表値から下方修正いたしました。
なお、年度業績については、現時点で業績予想を見直すことが困難なため、前回公表値を据え置いております。
2019年度第2四半期以降のトピックスですが、台湾の「イクロステープ™」、日本及び北米でのガラス長繊維強化ポリプロピレン及び北米でのミラストマー、これらがそれぞれ営業運転を開始する予定です。
2)業績予想の概要
業績予想の概要でございます。2019年度上期につきましては、売上高6,850億円、営業利益380億円、経常利益360億円、親会社株主に帰属する当期純利益200億円を見込んでいます。
対前回発表値から、売上高は600億円、営業利益の見通しは40億円、それぞれ下方修正しております。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益については、それぞれ80億円を下方修正いたしました。
この前提は、為替レート110円、国産ナフサ価格42,700円を見込んでおります。このうち、第2四半期の前提は、為替レート110円、国産ナフサ価格40,000円としています。
配当予想については、前回予想から変更ございません。
3)セグメント別 売上高・営業利益の予想
売上高・営業利益のセグメント別の内訳につきまして、上期、通期の予想値及び前年比を記載しています。
上期の売上高予想は、原燃料価格の下落による価格改定の影響を主要因に、前年同期を下回る見込みです。
営業利益予想につきましては、前年同期497億円から380億円と、100億円強の減益となりますが、これは基盤素材での減益幅が大きくなる見込みのためです。
4)セグメント別 営業利益の予想(対前回予想:上期)
上期の営業利益見込みについて、前回予想からの修正状況を、セグメント別に記載しています。営業利益は合計で、前回予想420億円から380億円へ、40億円下方修正しております。
成長3領域については、営業利益の絶対額では各セグメントで前回予想並みを見込んでおります。モビリティ及びフード&パッケージングでは販売が減少する見込みであり、これをコストダウンでカバーする計画です。
基盤素材は、石化フェノール市況の軟化を主因に、前回予想を30億円下回る見込みです。「その他」については、前回予想から10億円マイナスに見直しております。
5)営業外損益及び特別損益の内訳①
営業外損益の内訳につきまして、上期通期の予想値及び対前年を記載しております。
上期の営業外損益は、前年のプラス87億円からマイナス20億円と、約100億円の減益。前回公表値からも、プラス20億円からマイナス20億円と、40億円下方修正しております。
5)営業外損益及び特別損益の内訳②
特別損益の内訳につきまして、上期と通期の予想値及び対前年を記載しています。
上期の特別損益の合計は、今期予想はマイナス30億円で、ほぼ前年同期並み、前回公表値のままとしております。
6)キャッシュ・フロー計算書②
キャッシュ・フローの内訳につきまして、上期と通期の予想値、前年と前回公表値との比較を記載しております。
上期の営業活動によるキャッシュ・フローは、利益の下方修正を考慮して、前回公表値から50億円減額し530億円。投資活動によるキャッシュ・フローは、前回公表値据え置きのマイナス530億円です。
結果として、フリーキャッシュ・フローは前回公表値から50億円減少して0円。財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入返済等を織り込み、160億円支出を増額して、マイナス200億円としております。
以上、ご説明を終わります。