3. 【係長級との比較】45歳~49歳で課長級の人数が係長級を上回る

係長級と並べると、2つの役職の人数が入れ替わる年代が見えてきます。

35〜39歳では係長級が25万1490人で、課長級の1.9倍いました。40〜44歳でも係長級が30万8880人と、課長級を1万2330人上回っています。この年代の課長級29万6550人は係長級の96.0%にあたり、2つの役職はほぼ同じ規模です。ところが45〜49歳になると、係長級の32万1710人に対して課長級は41万5600人となり、課長級のほうが9万3890人多くなります。

係長級で人数がいちばん多いのは45〜49歳で、係長級全体の19.9%でした。平均年齢は係長級が45.4歳、課長級が49.5歳で、4.1歳の開きがあります。

40代前半までは係長級のほうが多く、40代後半からは課長級のほうが多い。人数の上では、40代の半ばが2つの役職の境目にあたる形です。もちろん、会社の規模や業種、組織の形によって、役職に就く年齢は違います。この境目は、あくまで全国の人数を合わせたときの目安です。

4. 【部長級との比較】60歳~64歳では部長級が課長級より多い

部長級とも並べてみます。部長級は全国で93万1330人、平均年齢は53.1歳で、課長級より3.6歳上です。部長級でいちばん多いのは課長級と同じ50〜54歳で、部長級全体の28.5%でした。50代を合わせると55.6%になり、課長級よりも50代に集まっています。

55〜59歳までは、どの年代でも課長級のほうが部長級より多く、55〜59歳でも課長級が9万520人上回っています。それが60〜64歳になると、部長級が9万2070人、課長級が6万6830人で、部長級のほうが2万5240人多くなります。65〜69歳でも、部長級は2万5060人、課長級は1万1920人でした。70歳以上でも、部長級は1万2790人、課長級は4490人です。

60歳を超えて雇用期間の定めのない形で働く人のなかでは、課長級より部長級の人数のほうが多い、ということです。60代の役職のあり方は、勤め先の制度によっても大きく変わるところでしょう。

5. 【企業規模別の年齢】課長の年齢の広がり方は勤め先の規模で違う

「大きな会社ほど、課長は年上の人が多いのでは」—そんなイメージを持つ方もいるでしょう。では、勤め先の規模によって、課長級の年齢の並びはどう違うのでしょうか。企業規模は、その会社全体で働く常用労働者の人数による区分です。

5.1 【企業規模別の年齢の分かれ方一覧表】

企業規模別にみた課長級の年齢の分かれ方2/2

企業規模別にみた課長級の年齢の分かれ方

出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」役職第1表をもとにLIMO編集部作成

まずは平均年齢から確認していきましょう。1,000人以上の企業が49.4歳、100〜999人が49.3歳、10〜99人が49.8歳で、ほとんど変わりません。どの規模でも、いちばん人数が多いのは50〜54歳でした。

ところが、山の外側に目を向けると違いが見えてきます。60歳以上の課長級は、1,000人以上では2.9%ですが、10〜99人では8.2%と2.8倍の割合です。30代以下も、1,000人以上の9.4%に対して10〜99人は11.5%でした。一方で、40代と50代を合わせた割合は、1,000人以上の87.7%に対して10〜99人は80.3%にとどまります。

小さな企業ほど、課長級の年齢が若いほうにも上のほうにも広がっている、という並びです。100〜999人は、60歳以上が3.9%、30代以下が9.9%で、ちょうど両者のあいだにありました。

全国の平均年齢だけを見ていると、こうした違いはなかなか表に出てきません。ご自身の勤め先に近い規模の並びを知っておくと、課長として働く年齢の幅を、より身近な形で思い描けるのではないでしょうか。

6. まとめにかえて

年齢の並びから見えてきたことを、仕事とお金の両面から3つに整理します。

6.1 1つめ:課長になる時期は40代から50代の幅で多い

課長級の85.2%は40代と50代で、人数が多い年代は50〜54歳にありました。課長になる時期は、1つの年齢で決まるものではなく、40代から50代にかけての長い幅のなかに広がっています。ご自身のペースで経験を積み、その年齢の幅のなかでどんな役割を担いたいかを描いておくことが、この先の働き方を考える土台になるでしょう。

ただし会社によって平均的な年齢は差がありますから、自身の会社についても平均的な年齢を考えてみるとよいでしょう。

6.2 2つめ:50代の家計の計画に、老後の資金の準備を組み込む

役職が上がり収入が増えると、貯蓄の仕方を考える方も増えると思いますが、何で備えるかは早い年代から調べておきましょう。

たとえば国民年金基金連合会のiDeCo公式サイトによると、iDeCoは基本的に公的年金の被保険者であれば65歳未満まで加入でき、掛金は65歳になるまで出せます。いっぽうで、資産は原則として60歳になるまで引き出せません。また、60歳から受け取るには、60歳になるまでの通算加入者等期間が10年以上必要で、それより短い場合は受け取りを始められる年齢が遅くなります。

50代で老後の資金の準備を考えるなら、こうした条件もふまえて、いつから、いつまで、何で備えるのかを家計の計画に書き込んでおくと、使い道を考える手がかりになります。加入の条件や受け取りの細かな決まりは、iDeCo公式サイトで最新の内容を確かめてください。他の制度についても調べてみるといいでしょう。

6.3 3つめ:60歳からの働き方を、50代のうちに考えはじめる

60〜64歳では、課長級より部長級のほうが人数が多くなっていました。60代の役職のあり方は勤め先によって違いますが、50代は、60歳からどんな立場で、どれくらい働くかを考えはじめる時期にもあたります。役職を続けるのか、専門を生かすのか、働く時間や会社を変えるのかーどの道を選んでもかまいません。早めに選択肢を並べておくことが、60代の収入と暮らしを組み立てる材料になります。

7. 編集部よりコメント

宮野 茉莉子
課長級の年齢の数字は、読み方によって受け取り方が大きく変わります。ここでは読み方を3つ解説します。

1つめは、いま課長級にいる人の年齢だということです。何歳で課長になったかではないので、「この年齢までに課長にならなければ」という物差しにはなりません。

2つめは、対象が雇用期間の定めのない一般労働者だということです。雇用期間の定めがある人や短時間労働者は、この数字には入っていません。

3つめは、常用労働者が10人以上の企業の数字だということです。それより小さな会社で働く課長級の人は、ここには含まれていません。

課長になった年齢も、これから課長になる年齢も、人によって違って当然です。

年齢の山を知っておくと、周りと比べて不安になったときに、少し落ち着いて全体を見渡すことができます。ご自身の歩みを確かめるための、ひとつの材料にしてください。

参考資料

宮野 茉莉子