これまでの自然災害と同様に、今回の台風19号でも、自宅の倒壊や浸水などで住めない状態になってしまった人が非常に多くなっています。住宅の再建は、復興作業の中でもとりわけ時間とお金がかかり、被災者の負担感が強いものです。

そんな中、今回日本財団では住まいや事業所の被災に対し、新たな融資制度を設立。詳細は今後、被災自治体と協議するとのことですが、住宅再建や事業資金を金融機関から借りた場合の利子を日本財団が補う内容で、20億円もの財源を充てる方針です。

自然災害による住宅の倒壊は、平成10年に成立した被災者生活再建支援法によって「被災者生活再建支援金」が支給されるようになっています。これは全壊世帯には100万円、大規模半壊世帯には50万円の「基礎支援金」に加え、住宅の建設や購入、補修等に応じて50万円~200万円の「加算支援金」がそれぞれ支給される仕組み。

また被災して家が倒壊したものの、払い終えていないローンがある場合には自治体ごとに「災害救助法」が適応され、被災ローン減免制度(自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン)で債務整理ができる場合もあります。

こうしたすでにある国の制度としての支援金や制度に加え、日本財団では独自の融資制度を設けることによって、被災者の一刻も早い住宅の再建をサポートする意向です。

おわりに

もはや毎年のように大災害が起こっており、河川から遠かろうが都心に住んでいようが、どこにいても被災する可能性がある日本。今回の台風で被災していない我々にできることは、ボランティアや募金等による被災地支援はもちろんのこと、ハザードマップの確認やいつか自分が被災してしまった場合の制度を念頭に入れるといった有益な情報や知識をたくさん持っておくことに尽きるでしょう。

そして、今まさに困っている人に今回の日本財団による支援のような情報を伝えてあげることも、1つの小さな支援になるのではないでしょうか。

今回の支援に関する申し込み方法や詳細等は日本財団HPを確認してください。また、問い合わせ先はメール:saigai@ps.nippon-foundation.or.jp、電話:03-6229-5111(コールセンター)まで。

秋山 悠紀