株式市場の振り返り-日経平均株価は5日ぶり反落、方向感に乏しい値動きに終始

2019年10月17日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,451円(▲21円、▲0.1%) 5日ぶり小反落
  • TOPIX 1,624.1(▲7.3、▲0.5%) 4日ぶり反落
  • 東証マザーズ株価指数 837.3(+0.5、+0.1%) 小反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:636、値下がり銘柄数:1,433、変わらず:86
  • 値上がり業種数:7、値下がり業種数:26
  • 年初来高値更新銘柄数:51、年初来安値更新銘柄数:9

東証1部の出来高は11億1,478万株、売買代金は1兆9,233億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。特に目立ったニュースがなく、来週後半以降の決算発表本格化を控え、様子見スタンスが強まりました。回復基調が続いてきた売買代金も、4日ぶりに節目の2兆円を割り込む薄商いとなっています。

そのような中、日経平均株価は方向感に乏しい膠着感の強い値動きとなりました。寄り付き後すぐに一時▲48円安まで下落しましたが、その1時間後には+49円高まで切り返す場面が見られました。その後は前日終値を挟む攻防となり、結局は5日ぶりの小反落で引けています。また、終値の22,500円台回復もいったんお預けとなっています。

なお、TOPIXも同じような値動きで4日ぶりの反落となりましたが、下落率は日経平均株価を大きく上回りました。これは、中小型株での売りが優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ株価指数は小反発、売買代金は49日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,466万株、売買代金600億円となり、いずれも概ね前日並みでした。依然として個人投資家の物色意欲が停滞しており、売買代金は49日連続の1,000億円割れとなりました。

ただ、株価指数はわずかに上昇する小反発となっています。依然として800ポイント割れも迫ろうとしている中、今後は引き続き、個人投資家の投資意欲の回復次第と言えましょう。

前日に年初来高値更新のトヨタ自動車が反落、ソニーなどハイテク株の一角が買われる

個別銘柄では、ファナック(6954)、KDDI(9433)、東京エレクトロン(8035)、京セラ(6971)など指数寄与度の高い主力大型株が値を下げ、前日に年初来高値更新となった信越化学工業(4063)、中外製薬(4519)、トヨタ自動車(7203)なども反落しました。

また、ハイテク株ではNEC(6701)や三菱電機(6503)が冴えない値動きとなり、ニコン(7731)やHOYA(7741)など精密株も下落しています。

その他では、金融株が再び売りに押され、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)や大和証券グループ本社(8601)などの下落が目立ちました。

また、任天堂(7974)が大きく値を下げ、NTTドコモ(9437)も売りに押されたことも目を引きました。

一方、前日に業績悪化(大幅減益)の観測報道が流れたヤマトホールディングス(9064)が悪材料出尽くし期待感から一時+5%高に迫る大幅高となりました。

また、ハイテク株では引き続き見直し買いが入る銘柄も少なくなく、TDK(6762)とオムロン(6645)は年初来高値を更新し、ソニー(6758)やオリンパス(7733)は大幅上昇となっています。

その他では、楽天(4755)とソフトバンクグループ(9984)がやや買い戻され、アステラス製薬(4503)など医薬品株の一角も堅調に推移しました。

新興市場(東証マザーズ)では、前日に大暴落となったロコンド(3558)が反発しましたが、ストップ安だったウォンテッドリー(3991)は大幅続落となりました。一方、ブシロード(7803)が大幅高で年初来高値を更新しています。

葛西 裕一