株式市場の振り返り-日経平均株価は4日続伸、TOPIXとともに年初来高値を更新

2019年10月16日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,472円(+265円、+1.2%) 4日続伸
  • TOPIX 1,631.5(+11.3、+0.7%) 3日続伸
  • 東証マザーズ株価指数 836.7(▲8.4、▲1.0%) 反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,513、値下がり銘柄数:561、変わらず:80
  • 値上がり業種数:25、値下がり業種数:8
  • 年初来高値更新銘柄数:191、年初来安値更新銘柄数:3

東証1部の出来高は14億2,731万株、売買代金は2兆4,997億円(概算)となり、いずれも前日より増加しました。米国株の大幅高と円安進行を受け、リスクオンモードが一気に高まりました。一部の投資家は模様眺めムードを継続したものの、売買代金は3日連続で2兆円を上回り、久しぶりに2兆5,000億円レベルに達しています。

そのような中、日経平均株価は高値を試す展開となりました。寄り付き直後には一時+408円高(22,615円)まで上昇し、4月24日以来となる年初来高値更新となり、これは約10か月半ぶりの高値水準でもありました。その後は上値が重くなり、終値は22,500円には届かなかったものの、4日続伸で引けています。

なお、TOPIXも同じような値動きで3日続伸となりましたが(TOPIXも年初来高値を更新)、上昇率は日経平均株価を大きく下回りました。これは、日経平均株価を構成するような大型株への見直し買いが圧倒的に優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ株価指数は反落、売買代金は48日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,481万株、売買代金618億円となり、いずれも前日より増加しました。前日よりは増えたものの、個人投資家の物色意欲が停滞し、売買代金は48日連続の1,000億円割れとなりました。

また、株価指数も反落となり、年初来高値を更新した大型株式市場と好対照の結果となっています。依然として800ポイント割れも迫ろうとしている中、今後は引き続き、個人投資家の投資意欲の回復次第と言えましょう。

日立製作所、トヨタ自動車、信越化学工業など優良大型株に年初来高値更新が続出

個別銘柄では、主力株が総じて買われる中、とりわけハイテク株の上昇が目立ち、東京エレクトロン(8035)、アドバンテスト(6857)、TDK(6762)、ローム(6963)、オリンパス(7733)などが連日で年初来高値を更新し(注:オリンパスの終値は下落)、日立製作所(6501)、オムロン(6645)、ルネサスエレクトロニクス(6723)も年初来高値更新となりました。

また、株価指数寄与度の高いKDDI(9433)、信越化学工業(4063)、中外製薬(4519)、トヨタ自動車(7203)なども年初来高値を付けて引けています。

その他では、ドラッグストア株が物色され、スギホールディングス(7649)とツルハホールディングス(3391)が年初来高値更新まで買われ、マツモトキヨシホールディングス(3088)も大きく値を上げたのが目を引きました。

一方、大型株の中ではソフトバンクグループ(9984)が逆行安となり、花王(4452)、第一三共(4568)、NTTデータ(9613)なども値を下げました。

また、ゲームソフト株が利食い売りに押され、コロプラ(3668)が一時▲9%安の急落となり、スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)も一時▲4%超安の大幅下落となっています。

その他では、台風の影響による新幹線車両の浸水被害が不透明要因となった東日本旅客鉄道(9020)が大きく値を下げたのが注目を集めました。

新興市場(東証マザーズ)では、決算内容が嫌気されたロコンド(3558)が▲27%安に迫る大暴落となりました。また、ロゼッタ(6182)とウォンテッドリー(3991)が揃って暴落し、両銘柄ともストップ安で引けています。一方、SOU(9270)が爆騰してストップ高となりました。

葛西 裕一