2. 過去には全国一律の給付が行われたこともある
コロナ禍には、課税・非課税にかかわらず全国一律で1人10万円が支給されたことがありました。その後は、物価上昇への対策として低所得世帯に対象を絞った給付が続いてきました。
2024年11月22日に「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」が閣議決定されたことを受けて実施された給付もそのひとつです。12月に成立した2024年度補正予算には、住民税非課税世帯を対象とした1世帯あたり3万円の給付金が盛り込まれました(18歳以下の児童がいる世帯には児童1人あたり2万円が加算)。
令和8年度は、前のページで見たように対象の決め方が自治体ごとに分かれています。それでも住民税非課税世帯は、給付の基準として使われることの多い区分です。どのような世帯が該当するのか確認しておきましょう。
3. そもそも「住民税非課税世帯」とは?「所得割」と「均等割」2つの仕組み
ご紹介した事例のように対象が多様化する一方で、依然として各種給付金や優遇措置の対象基準によく使われるのが「住民税非課税世帯」という枠組みです。どのような世帯が該当するのか、まずは税金の仕組みから整理していきましょう。
個人が納める住民税は、所得の金額に応じて負担する「所得割」と、所得にかかわらず定額で一律に負担する「均等割」の2つで構成されています。
- 均等割:所得の金額にかかわらず、一定以上の所得がある方に一律で課される税金です。
- 所得割:前年の所得金額に応じて課税される税金で、所得が多いほど税額も大きくなります。
この均等割と所得割の両方が課税されない状態を「住民税非課税」と呼び、世帯の構成員全員が該当する場合を「住民税非課税世帯」といいます。
なお、所得割のみが非課税となるケースもありますが、その場合に給付金などの支援対象となるかどうかは自治体によって判断が分かれます。
3.1 住民税がゼロになる年収の境界線は?
次のいずれかに当てはまる場合、住民税は非課税として扱われます。
- 生活保護法に基づく生活扶助を受けている方
- 障害者、未成年者、寡婦またはひとり親に該当し、前年の合計所得金額が135万円以下の方
- 前年の合計所得金額が、各市区町村の定める基準額を下回っている方
1と2は全国共通ですが、3の所得基準額は自治体ごとに設定されています。
3.2 収入に換算するといくらか【神戸市の例】
単身世帯(合計所得金額45万円以下)
- 給与収入のみ:年収110万円以下
- 65歳以上で年金収入のみ:年金収入155万円以下
- 65歳未満で年金収入のみ:年金収入105万円以下
同一生計配偶者または扶養親族が1名いる世帯(合計所得金額101万円以下)
- 給与収入のみ:年収166万円以下
- 65歳以上で年金収入のみ:年金収入211万円以下
- 65歳未満で年金収入のみ:年金収入171万3334円以下
扶養親族がいる場合は基準が引き上げられます。ご自身の世帯構成と収入の種類を確かめたうえで、お住まいの自治体の基準に当てはめてみてください。
4. まとめにかえて
今回は、いま申請を受け付けている自治体の給付金の例と、住民税非課税世帯の要件を確認してきました。
北海道は全世帯に5000円相当のギフトカードまたは5500円相当のポイント、武豊町は町民1人あたり6000円、出水市は75歳以上に1人5000円と、対象も金額も自治体によって大きく異なります。住民税非課税世帯に限らない給付も増えています。
また、口座情報が登録されている世帯には自動で振り込まれる一方、確認書や申請書が届いた世帯は自分で手続きをする必要があります。期限を過ぎると受給を辞退したとみなされる点には注意が必要です。
住民税非課税の所得基準は自治体ごとに設定されています。ご自身が対象かどうかは、お住まいの市区町村の基準で確認してください。
まずはお住まいの自治体が実施している支援を調べるところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 北海道「道民生活応援ポイント給付事業(物価高対策緊急支援事業)について」
- 武豊町「たけとよくらしサポート給付金」
- 出水市「令和8年度出水市高齢者物価高騰対策給付金について」
- 世田谷区「【受付終了】令和7年度世田谷区住民税非課税世帯等への物価高騰生活支援給付金について」
- 総務省「個人住民税」
- 神戸市「住民税(市県民税)とは」
鶴田 綾
