大学の学費をどう用意するかは、進路を決める段階で避けて通れない問題です。
日本学生支援機構(JASSO)の給付奨学金は、返還の必要がない奨学金です。月額は私立大学に自宅外から通う場合で7万5800円となり、あわせて授業料等の減免も受けられます。
本記事では、給付型と貸与型の違い、給付奨学金の月額、そして2025年度から始まった多子世帯への支援について解説していきます。
1. 日本学生支援機構の奨学金には給付型と貸与型がある
日本学生支援機構の奨学金は、大きく給付型と貸与型に分かれます。
整理すると次の3点になります。
- 給付奨学金は返還がいらず、授業料等減免とセットで行われる
- 第一種奨学金は貸与型で、利子が付かない
- 第二種奨学金は貸与型で、利子が付く
給付奨学金と授業料等減免を組み合わせた仕組みは「高等教育の修学支援新制度」と呼ばれ、国が実施しています。
2. 給付奨学金は月額いくら支給されるか
日本学生支援機構の案内より、大学に進学する場合の給付奨学金の月額を確認しましょう。
満額が支給される場合の月額は、国公立大学に自宅から通う場合が2万9200円、自宅外から通う場合が6万6700円です。私立大学であれば、自宅から通う場合が3万8300円、自宅外から通う場合が7万5800円になります。
実際に支給される額は、世帯の収入に応じた支援区分によって変わります。区分が下がると、支給額もそれに応じて少なくなります。
あわせて授業料等減免が行われるため、家計への効果は月額だけでは測れません。入学金と授業料が一定額まで減免される点が、この制度の中心です。
3. 給付型と貸与型はどう違うか
どちらを選ぶかで、卒業後の家計が変わります。次の画像では、給付型と貸与型の違いを解説します。
3.1 給付奨学金は返還がいらない
給付奨学金は返還の必要がありません。ただし、世帯の収入と資産に基準があり、進学後は学修状況が毎年確認されます。
3.2 第一種奨学金は無利子、第二種奨学金は有利子
貸与型のうち、第一種奨学金は利子が付きません。第二種奨学金は利子が付きますが、第一種より基準がゆるやかに設定されています。
このほか、入学時の一時金として入学時特別増額貸与奨学金(利子付)があります。大学院の修士段階では、第一種奨学金に代えて授業料後払い制度を選ぶこともできます。
4. 2025年度から、子ども3人以上の世帯は所得制限なしになった
文部科学省は、2025年度から高等教育の修学支援新制度を拡充し、子どもを3人以上扶養している世帯について、所得制限なく授業料・入学金の減免を行うこととしました。
私立大学の場合、授業料は年70万円、入学金は26万円までが減免の対象です。4年制大学であれば、最大で70万円×4年に入学金26万円を加えた額が支援されることになります。
この「多子世帯」とは、扶養する子が3人以上の世帯を指します。子どもを3人以上同時に扶養している間に大学等に在学している子は全員が対象になりますが、第1子が就職するなどして扶養から外れ、扶養する子が2人になった場合は、多子世帯としての支援は終了します。
奨学金は「借りられるかどうか」ではなく「卒業後に返せるかどうか」で考えることが大切です。
第二種奨学金を月10万円、4年間借りると総額は480万円になります。ここに利子が加わり、社会人になってから十数年かけて返していくことになります。まず給付奨学金と授業料等減免の対象になるかを確認し、そのうえで不足分を貸与で補うという順番で検討することをおすすめします。
