4. 9月30日基準から拡充される「長期保有優待」

小田急電鉄は5月13日、株主優待制度の拡充を発表しました。

3年以上(直近7回の基準日)にわたり継続して一定株数を保有している株主を対象に追加提供する「長期保有優待」について、対象となる最低保有株式数を「1,500株以上」から「500株以上」に引き下げるとともに、内容も充実させています。

2026年9月30日を基準日とする優待(2026年11月下旬送付予定)から、この拡充後の内容が初めて適用されます。

拡充後の長期保有優待の内容は、保有株数に応じて次の通りです(3年以上の継続保有が条件)。

4.1 長期保有優待の内容(3年以上継続保有、半期あたり)

  • 500株以上:ロマンスカーミュージアム入館券1枚
  • 1,000株以上:小田急線全線優待乗車証(きっぷ式)4枚+ロマンスカーミュージアム入館券1枚
  • 2,500株以上:乗車証6枚+箱根湯寮または木の花の湯(選択式)入館券1枚+ロマンスカーミュージアム入館券1枚
  • 5,000株以上:乗車証8枚+箱根フリーパス1枚+箱根湯寮または木の花の湯(選択式)入館券1枚+ロマンスカーミュージアム入館券1枚

拡充前は1,500株以上・2,500株以上でそれぞれ乗車証3枚、5,000株以上で乗車証6枚のみでした。

今回の拡充により、これまで対象外だった「500株以上1,500株未満」の株主も新たに長期保有優待を受けられるようになりました(500株以上1,000株未満はロマンスカーミュージアム入館券1枚のみ、1,000株以上1,500株未満は乗車証4枚と入館券1枚が対象です)。

もともと対象だった「1,500株以上」の株主も、乗車証の枚数が増えるだけでなく、ロマンスカーミュージアムの入館券や箱根フリーパスなど、これまでなかった優待が新たに加わっています。

なお、同社は2027年3月31日を基準日とする優待(2027年5月下旬送付予定)からは、通常の株主優待の対象となる最低保有株式数も「500株以上」から「100株以上」に引き下げる方針です。

こちらは今回の9月30日基準にはまだ適用されず、次の基準日以降の話になります。

4.2 保有株数と乗車証の枚数(半期あたり、今回9月末の内容)

  • 500株以上:4枚
  • 1,500株以上:10枚
  • 2,500株以上:20枚
  • 3,500株以上:30枚
  • 5,000株以上:40枚
  • 10,000株以上:80枚

15,000株以上、30,000株以上を保有する株主には、定期券式の乗車証(小田急線・小田急バス全線共通)を含む、より手厚い内容から選択できる制度も用意されています。

また、1,500株以上を3年超(直近7回の基準日)にわたり継続保有した株主には、乗車証が上乗せされる仕組みもあります。

優待乗車証のほかにも、500株以上を保有する株主には次のような割引券が進呈されます。

4.3 主な割引券の内容(500株以上、半期あたり)

  • 小田急百貨店(新宿店〈新宿西口ハルク〉・町田店・小田急百貨店ふじさわ):1,000円以上の購入で10%割引(14枚、※除外品あり〈食料品等〉)
  • Odakyu OX:商品価格5%割引(生活雑貨は10%割引、12枚、※除外品あり)
  • 箱根そば:1回の食事(340円以上)につき、かき揚げ天1つ無料(2枚)
  • 箱根の宿泊施設(小田急山のホテル、はつはな、箱根ゆとわ、HOTEL CLADなど):宿泊料10%割引(5枚)
  • 箱根湯寮・木の花の湯:入館料割引(5枚)
  • 小田急ハウジング:リフォーム・増改築見積金額5%割引

なお、小田急百貨店新宿店は新宿駅西口地区の再開発に伴い、現在は新宿西口ハルク内での営業となっています。百貨店・スーパーの割引には食料品など対象外の品目もあるため、利用時は店頭で対象範囲を確認してください。

普段から小田急沿線で買い物をしたり、箱根方面に旅行する機会がある人にとっては、優待乗車証と割引券を組み合わせることで、交通費・宿泊費・食事代を実質的に抑えられる内容といえます。

15,000株以上を保有する株主には、ゴルフ場の割引やカレンダー(9月30日基準の株主が対象)といった特典も別途用意されています。

なお、優待の内容や条件は変更される可能性があるため、公式サイトを確認してください。

5. 小田急の最新株価

小田急電鉄<9007>の9月18日の東証終値は1,799.5円(前日比▲49.5円、▲2.68%)でした。

この終値をもとにした株価指標は、PER(会社予想)16.20倍、PBR(実績)1.21倍、配当利回り(会社予想)3.33%。

直近の終値1,799.5円は年初来高値(1,872円、7月29日)から3.9%安い水準で、年初来安値(1,536円、5月12日)からは17.2%高い、レンジの中では高値寄りの水準です。

小田急電鉄の年間チャート1/1

小田急電鉄の年間チャート

出所:LIMO&ファイナンス

6. 記者コメント

2027年3月期1Qは、純利益こそ前年同期に計上していた投資有価証券売却益の反動で減益となったものの、本業の利益を示す営業利益・経常利益は増益基調を維持しました。

その中心にあるのが、営業利益率24.3%と3事業で最も高い収益性を誇る交通業です。輸送人員の増加や運賃改定、箱根方面の観光需要・インバウンドの伸びが業績を下支えしている構図がうかがえます。

株主優待の面では、9月30日を基準日とする優待から「長期保有優待」の対象が500株以上に広がり、内容も拡充されます。

権利付き最終日(購入期限)は9月28日です。ただし、今回拡充されるのはあくまで500株以上を3年超(直近7回の基準日)継続保有している株主向けの「長期保有優待」であり、対象は限定的です。これから新規に株式を取得する場合、月18日終値ベースで500株には約90万円が必要になります。

単元株である100株の保有でも優待乗車証がもらえるようになるのは2027年3月31日を基準日とする優待からで、今回の9月30日基準にはまだ適用されません。

少額から株主優待目的での投資を考えている場合は、2027年3月の基準日まで様子を見るという考え方もできそうです。

【免責事項】

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。

参考資料

高原 祥子