4. 遺族厚生年金の受給権があると老齢年金を繰り下げられない
請求の順番には、繰下げ受給との関係もあります。
遺族年金を受け取る権利ができた時点で、老齢年金の繰下げには制限がかかります。
4.1 66歳に到達した日以前に権利を持つと繰り下げられない
日本年金機構は、原則として66歳に到達した日以前に遺族年金等を受け取る権利を有した場合は、老齢年金を繰り下げて受給することができないとしています。
また66歳に到達した日後の繰下げ待機期間中に遺族年金等を受け取る権利を有した場合は、その時点で増額率が固定されます。老齢年金の請求の手続きを遅らせても、増額率はそれ以上増えません。
4.2 65歳前に失権していた場合は繰り下げられる
65歳に到達する前に遺族年金等を受け取る権利を失権していた場合には、老齢年金を繰り下げて受給することができます。
つまり権利を持っていた時期によって、繰下げができるかどうかが分かれます。
4.3 令和7年の法律改正で取り扱いが変わる
令和7年の法律改正により、令和10年3月31日時点において遺族厚生年金を受け取る権利を有し、かつ65歳に到達していない方は取り扱いが変わります。対象は昭和38年4月2日以降に生まれた方です。
老齢厚生年金は遺族厚生年金の請求を行っていない場合に限り繰下げ請求ができるようになり、老齢基礎年金は遺族厚生年金の請求の有無にかかわらず繰下げ請求ができるようになります。
5. まとめ
65歳以上で遺族厚生年金を請求するときは、自分の老齢厚生年金などの裁定の請求もあわせて必要です。遺族厚生年金の額は自分の老齢厚生年金の額を使って計算するため、そこが決まらないと支給額も決まりません。
老齢厚生年金は全額支給され、遺族厚生年金は相当する額の支給が停止されます。繰下げ受給との関係もあるため、請求の前に年金事務所で自分の受給権をひととおり確かめておくと安心です。