株式市場の振り返り-日経平均株価は反発、荒い値動きの後は膠着感の強い展開に

2019年10月10日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,551円(+95円、+0.5%) 反発
  • TOPIX 1,581.4(▲0.2、▲0.02%) わずかに続落
  • 東証マザーズ株価指数 852.6(▲13.6、▲1.6%) 大幅続落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:595、値下がり銘柄数:1,458、変わらず:100
  • 値上がり業種数:18、値下がり業種数:15
  • 年初来高値更新銘柄数:37、年初来安値更新銘柄数:11

東証1部の出来高は10億6,911万株、売買代金は1兆8,158億円(概算)となり、いずれも概ね前日並みでした。米中貿易摩擦問題に関する楽観的な見解、悲観的な見解など憶測に近いニュースが多発した結果、様子見スタンスを継続した投資家が多かったと見られます。これで売買代金は5日連続の2兆円割れとなる薄商いとなりました。

そのような中、日経平均株価は前場に荒い値動きとなった一方、後場は膠着感が強い展開となりました。米中貿易摩擦問題に関する悲観的なニュースが流れたことで、前場の序盤には一時▲147円安まで下落しましたが、すぐに切り返して約1時間後には一時+145円高まで上昇する場面が見られました。

ただ、後場に入ると一転様子見スタンスが強まり、21,500円を少し上回る水準で膠着状態となったようです。結局、最後は反発して引けたものの、荒い値動きと膠着状態の両方が出た値動きとなりました。

なお、TOPIXも同じような値動きでしたが、ほぼ終日マイナス圏で推移しました。結局、最後はプラス圏への浮上にわずかに足りず、日経平均株価とは対照的に続落となりました。

東証マザーズ株価指数は大幅続落、売買代金は45日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は5,582万株、売買代金686億円となりました。出来高は前日よりやや増加しましたが、売買代金は減少しました。個人投資家の物色意欲が再び落ち込み、売買代金は45日連続の1,000億円割れとなりました。

また、株価指数も▲1.6%安の大幅下落となる続落で引けています。900ポイント回復がやや遠のいた印象がありますが、今後は引き続き、個人投資家の投資意欲の回復次第と言えましょう。

前日に決算発表のイオンとローソンが急騰、吉野家HDが連日の上場来高値更新

個別銘柄では、小売り株に見直し買いが入りました。前日に決算発表を行ったイオン(8267)が一時+8%高に迫る急騰となり、同じく決算発表のローソン(2651)も一時+5%超高の急騰となりました。

さらに、ファミリーマート(8028)やセブン&アイ・ホールディングス(3382)などコンビニ株が値を上げ、J.フロント リテイリング(3086)も買われています。

また、ハイテク株では半導体関連株の一角が買われ、東京エレクトロン(8035)が年初来高値を更新し、アドバンテスト(6857)も大きく値を上げて引けました。

その他では、名誉フェローの吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞したことで旭化成(3407)がご祝儀上昇となりましたが、さほど目立った値動きは見られませんでした。

一方、第一三共(4568)が大きく値を下げ、エーザイ(4523)や中外製薬(4519)など医薬品株の一角が売られました。また、ハイテク株ではオリンパス(7733)、ニコン(7731)などが冴えない値動きとなり、日立製作所(6501)も下落しています。

その他では、株価上昇が続いた外食株が利益確定売りに押され、松屋フーズホールディングス(9887)、日本マクドナルドホールディングス(2702)、日本KFCホールディングス(9873)などが大幅安となりましたが、その中で唯一、吉野家ホールディングス(9861)が年初来高値を更新(上場来高値でもあります)したのが目を引きました。

新興市場(東証マザーズ)では、そーせいグループ(4565)が急落し、アンジェス(4563)やブライトパス・バイオ(4594)など医療バイオ株が総じて大幅安となりました。また、ブシロード(7803)も大幅反落となり、手間いらず(2477)も反落しています。

葛西 裕一