病気やけがで働けなくなったときに受け取れる年金として、障害年金があります。老後に受け取る年金とは違い、現役世代でも対象になる制度です。
厚生労働省が2026年3月31日に公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」によると、厚生年金保険(第1号)の障害年金の受給権者は74万1224人でした。最も多い年齢階級は60歳から64歳で、11万297人が受け取っています。
この記事では、2026年4月分からの障害基礎年金と障害厚生年金の年金額を確認したうえで、受給権者74万1224人の年齢階級別の内訳を一覧で見ていきます。
1. 障害年金は障害基礎年金と障害厚生年金の2階建てになっている
障害年金には、国民年金から支給される障害基礎年金と、厚生年金保険から支給される障害厚生年金があります。
どちらが支給されるかは、その病気やけがで初めて医師の診療を受けた日、つまり初診日にどの年金制度に加入していたかで決まります。
1.1 1階部分の障害基礎年金は1級と2級
障害基礎年金は、初診日が国民年金の加入期間にある場合のほか、20歳前や、60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間にある場合が対象です。
等級は1級と2級の2つで、3級はありません。生計を維持している子がいるときは、子の加算額が上乗せされます。
1.2 2階部分の障害厚生年金は1級から3級まである
障害厚生年金は、初診日に厚生年金保険の被保険者だった場合が対象です。会社員や公務員として働いている間に初診日があれば、こちらに該当します。
等級は1級・2級・3級の3つです。1級と2級に該当する場合は、障害厚生年金に障害基礎年金が上乗せされる形になります。
2. 2026年4月分からの障害基礎年金は1級105万9125円、2級84万7300円
障害基礎年金の年金額は、老齢基礎年金の満額と同じ仕組みで毎年度改定されます。ここでは2026年4月分から適用される金額を確認していきましょう。
2.1 障害基礎年金の年金額と子の加算額
日本年金機構が公表している2026年4月分からの障害基礎年金は、次のとおりです。
- 1級(昭和31年4月2日以後生まれ):105万9125円+子の加算額
- 1級(昭和31年4月1日以前生まれ):105万6125円+子の加算額
- 2級(昭和31年4月2日以後生まれ):84万7300円+子の加算額
- 2級(昭和31年4月1日以前生まれ):84万4900円+子の加算額
子の加算額は、2人までは1人につき24万3800円、3人目以降は1人につき8万1300円です。
2級の額は老齢基礎年金の満額と同じで、1級はその1.25倍にあたります。月額にすると1級が約8万8260円、2級が約7万608円です。
2.2 障害厚生年金は報酬比例の年金額をもとに計算する
障害厚生年金は、それまでの給与や賞与に応じて計算される報酬比例の年金額がもとになります。1級は報酬比例の年金額の1.25倍、2級と3級は報酬比例の年金額そのままです。
1級と2級には、生計を維持している65歳未満の配偶者がいるときに24万3800円の配偶者の加給年金額が加算されます。
3級には障害基礎年金の上乗せがないため、最低保障額が設けられています。2026年4月分からの最低保障額は、昭和31年4月2日以後生まれが63万5500円、昭和31年4月1日以前生まれが63万3700円です。
3. 厚生年金保険、障害年金の受給権者74.1万人「どの年代がいちばん多い?」
ここからは、受給権者の数を年齢階級別に見ていきます。以下で扱う74万1224人は、厚生年金保険(第1号)の障害年金の受給権者で、旧法の年金と旧共済組合の分を含みます。国民年金の障害基礎年金だけを受け取っている方は含まれていません。
厚生年金保険(第1号)の障害年金の受給権者を、5歳刻みの年齢階級で並べたものです。60歳から64歳の11万297人がいちばん多くなっています。1/2
出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業年報」を参考にLIMO編集部作成
【年齢階級別の受給権者数(令和6年度末現在)】
- 0〜14歳:0人
- 15〜19歳:1人
- 20〜24歳:1379人
- 25〜29歳:9784人
- 30〜34歳:1万9519人
- 35〜39歳:2万8604人
- 40〜44歳:4万264人
- 45〜49歳:6万141人
- 50〜54歳:8万9807人
- 55〜59歳:9万9338人
- 60〜64歳:11万297人
- 65〜69歳:9万2982人
- 70〜74歳:7万3834人
- 75〜79歳:5万8626人
- 80〜84歳:3万1844人
- 85〜89歳:1万4553人
- 90歳以上:1万251人
3.1 60歳未満が34万8837人で全体の47.1%を占める
60歳未満の階級を合計すると34万8837人になり、全体の47.1%にあたります。受給権者のおよそ半数が、老齢年金を受け取る年齢に届いていない方たちです。
20歳代までは合計しても1万1164人にとどまりますが、30歳代で4万8123人、40歳代で10万405人、50歳代で18万9145人と、年齢が上がるにつれて増えていきます。
3.2 65歳以上は28万2090人で全体の38.1%
65歳以上を合計すると28万2090人で、全体の38.1%です。60歳から64歳の11万297人は14.9%にあたります。
85歳以上は2万4804人まで減ります。障害年金の受給権者は年齢とともに増え続けるわけではなく、60歳代前半を境に少なくなっていきます。
ファイナンシャルプランナーとして家計のご相談を受けていると、障害年金を高齢期の制度だと思っている方にお会いします。数字を見ると、受給権者の半数近くは60歳未満です。
年金額は等級と、初診日に加入していた制度で変わります。ご自身やご家族が対象になりそうなときは、年金事務所で見込額を確認してみましょう。
