40歳代、50歳代になっても、20歳代後半のころから給与がそれほど増えていない。同年代の男性の給与と比べて、そう感じたことがある女性もいるのではないでしょうか。
国税庁が2026年9月29日に公表した「令和7年分 民間給与実態統計調査」でも、その感覚は数字に表れています。
女性の平均給与は25〜29歳の382万7000円が最も高く、30歳代から50歳代までは357万1000円〜377万円の間にとどまります。男性が55〜59歳の734万1000円まで上がり続けるのとは対照的です。
では、なぜ女性の平均給与は年齢を重ねても上がりにくいのでしょうか。手がかりになるのが「勤続年数」です。
勤続年数別に見ると、女性の平均給与も、勤続1〜4年の284万2000円から勤続30〜34年の「500万9000円」まで上がっていきます。
この記事では、年齢では見えにくい給与の構造を勤続年数のデータから読み解き、勤続5年で転職した場合と15年勤め続けた場合の差を試算します。
1. そもそも「勤続年数別の平均給与」とは?年齢別の平均とは何が違うか
民間給与実態統計調査は、国税庁が毎年行っている統計調査です。民間の事業所で働く人が対象で、パート・アルバイトや役員も含まれますが、国家公務員や地方公務員は対象外です。
勤続年数別の平均給与は、令和7年の1月から12月まで続けて勤め、12か月分の給与を受け取った人を、勤め先での勤続年数ごとに分けて平均したものです。そのため、いちばん短い区分は勤続1〜4年になっています。
給与は、給料・手当と賞与を合わせた1年間の支給総額で、税金や社会保険料を引く前の額面です。通勤手当などの非課税分は含まれません。
年齢別の平均では、同じ50歳代でも、勤続30年の人と転職して2年目の人が同じ区分に入ります。勤続年数別に分けると、同じ勤め先で働いてきた年数による差を取り出して見ることができます。
1年を通じて勤めた人の平均勤続年数は、男性が14.1年、女性が10.4年です。女性のほうが、平均で4年ほど短くなっています。
2. 女性の平均給与はなぜ年齢で上がりにくい?勤続年数別なら「500万9000円」まで上がる
勤続年数ごとの平均給与を、男性・女性・全体に分けて並べると次のとおりです。
男女とも勤続30〜34年が最も高く、男性は838万円、女性は500万9000円1/3
出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計 全国計表 第13表 事業所規模別及び勤続年数別の給与所得者数・給与額」をもとにLIMO編集部作成
女性の平均給与は、勤続1〜4年の284万2000円から、勤続15〜19年で401万2000円、勤続30〜34年で500万9000円まで上がります。年齢別では横ばいに見えた女性の給与も、勤続年数で並べると右肩上がりです。
男性も、勤続1〜4年の437万1000円から勤続30〜34年の838万円まで上がります。国税庁は、男女とも勤続35年未満までは勤続年数が長くなるほど平均給与が高くなるとしています。
つまり、給与が上がるかどうかを左右しているのは年齢そのものより、同じ勤め先で働き続けた年数だと考えられます。
なお、勤続35年以上では、男性が726万9000円、女性が437万3000円と、30〜34年より低くなっています。定年後も同じ勤め先で働き続けている人などが含まれていると考えられます。
早見表で自分の勤続年数の平均を確かめ、源泉徴収票の「支払金額」と並べてみてください。
