3. 女性の約36%は勤続1〜4年。勤続の短い人が多いと平均はどうなる?

勤続年数が長いほど平均給与が高いなら、勤続年数の短い人がどれだけいるかで、全体の平均も変わってきます。1年を通じて勤めた女性を勤続年数ごとに見ると、次のとおりです。

女性で最も多いのは勤続1〜4年の806万7903人。勤続30〜34年は65万3549人2/3

令和7年分の1年を通じて勤務した女性の勤続年数別の人数の棒グラフ。1〜4年806万7903人、5〜9年513万7315人、10〜14年327万6093人、15〜19年218万7778人、20〜24年142万3366人、25〜29年82万9973人、30〜34年65万3549人、35年以上71万7673人

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計 全国計表 第13表 事業所規模別及び勤続年数別の給与所得者数・給与額」をもとにLIMO編集部作成

女性で最も多いのは勤続1〜4年の806万7903人で、1年を通じて勤めた女性2229万3651人の約36%を占めます(編集部試算)。男性の勤続1〜4年は799万3026人で、約27%です。

勤続年数が長くなるほど人数は減り、女性の勤続30〜34年は65万3549人です。男性の同じ区分は182万6362人で、女性の3倍近くいます。

平均給与の低い勤続の短い区分に人数が多く集まっていることが、女性全体の平均を押し下げている一因と考えられます。年齢が上がっても、転職や再就職で勤続年数が数え直しになる人が一定数いれば、年齢別の平均は上がりにくくなります。

ただし、調査結果は年齢と勤続年数を組み合わせた内訳までは示していないため、ここでは可能性にとどめます。

4. 【試算】勤続5年で転職した場合と、15年勤めた場合の差はいくら?

勤続年数が数え直しになると、給与と退職金にどれくらいの差が出るのでしょうか。勤続年数別の平均給与と、東京都が公表しているモデル退職金を使って試算しました。

比べるのは、同じ勤め先で15年働いた場合と、5年働いたあとに転職し、転職先で10年働いた場合です。どちらも働く期間は15年で、勤続年数だけが違います。

勤続5年で転職すると、15年間の給与と退職金の合計で362万9000円の差になる(編集部試算)3/3

15年同じ勤め先で働いた場合と勤続5年で転職した場合の試算。15年間の給与の合計は4898万5000円と4589万2000円で差は309万3000円。自己都合の退職金は209万3000円と155万7000円で差は53万6000円。合計は5107万8000円と4744万9000円で差は362万9000円

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計 全国計表 第13表」、東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」をもとにLIMO編集部作成(編集部試算)

給与は、勤続年数ごとの女性の平均給与を、その年の給与としてそのまま当てはめました。

15年同じ勤め先の場合は、勤続1〜4年の4年間を284万2000円、5〜9年の5年間を328万7000円、10〜14年の5年間を343万4000円、15年目を401万2000円として合計し、4898万5000円です。

勤続5年で転職した場合は、転職先で勤続年数が1年目から数え直しになります。最初の勤め先の5年間と転職先の10年間を合わせると4589万2000円で、差は309万3000円です。