3. 厚生年金があるかどうかで、必要額が変わる

分割で増えるのは報酬比例部分です。この部分があるかないかで、老後に用意する金額が変わります。

3.1 同じ独身でも5倍の開きがある

LIMOの記事「独身女性の老後資金は約406万円と約2065万円に分かれる?差を作るのは年金が厚生年金中心か国民年金中心か」から引用します。

厚生年金期間が中心(20年以上)の場合

  • 年金額(月・額面):13万4640円
  • 月の不足額:1万3805円
  • 必要額の目安:約406万円

国民年金期間が中心(20年以上)の場合

  • 年金額(月・額面):7万8249円
  • 月の不足額:7万196円
  • 必要額の目安:約2065万円

出所:LIMO「独身女性の老後資金は約406万円と約2065万円に分かれる?差を作るのは年金が厚生年金中心か国民年金中心か」

約406万円と約2065万円。同じ独身女性という区分でも、年金の中身でここまで開きます。

3.2 記録を確かめるところから始まる

分割を検討する場合も、しない場合も、先に見るのは自分の年金記録です。厚生年金の期間がどれだけあるかで、必要額の見当が変わります。

加入履歴はねんきんネットで月単位で確認でき、抜けがあれば年金事務所で照会できます。

4. 離婚を考えたときに確かめること

まず、相手に厚生年金の記録があるかどうかです。国民年金だけなら分割の対象になりません。

次に、第3号被保険者だった期間があるかどうかです。あれば、相手の合意なしで請求できる部分があります。

そして、離婚した日です。令和8年4月1日より前なら期限は2年以内で、すでに残りが短くなっている可能性があります。

5. まとめにかえて

離婚時の年金分割の請求期限は、原則として離婚等をした日の翌日から起算して5年以内です。令和8年4月1日前に離婚等をした場合は2年以内で、以前の離婚が5年に延びるわけではありません。

合意分割は婚姻期間中の厚生年金記録が対象で、按分割合は当事者の合意か裁判手続で決めます。3号分割は平成20年4月1日以後の第3号被保険者期間が対象で、2分の1ずつ、相手の合意なしで請求できます。分割の効果は報酬比例部分に限られ、老齢基礎年金には及びません。

報酬比例部分があるかないかで、用意する金額は変わります。単身無職世帯の消費支出をもとにした試算では、厚生年金中心なら約406万円、国民年金中心なら約2065万円という開きがありました。まずは自分の記録を確かめるところからになります。

参考資料

LIMO編集部貯蓄解説班