3月期決算企業の中間期にあたる9月末は、配当や株主優待の権利を得られる銘柄に個人投資家の関心が集まりやすい時期です。

ディー・エヌ・エー<2432>もそうした銘柄の一つで、9月30日を基準日とする株主優待の内容を8月24日に決定したほか、8月5日発表の2027年3月期第1四半期決算では、営業利益が前年同期比▲46.3%となった一方、純利益は同+198.5%の334億3,800万円となりました。

最新の決算から、同社の稼ぎ頭がどの事業にあるのかをひも解いていきます。

1. 最新決算からひも解く企業の稼ぎ頭

ディー・エヌ・エーが8月5日に発表した2027年3月期第1四半期決算(IFRS・連結)は、売上収益371億6,600万円(前年同期比▲10.9%)、営業利益74億1,100万円(同▲46.3%)、税引前利益497億5,300万円(同+213.5%)、純利益(親会社の所有者に帰属する四半期利益)334億3,800万円(同+198.5%)でした。

営業減益の主な要因は、2024年10月に配信を開始したゲームアプリ「Pokémon Trading Card Game Pocket」が前年同期の業績を大きく押し上げた反動です。ゲーム事業の売上収益は121億2,000万円(同▲33.2%)、セグメント利益は38億2,600万円(同▲62.0%)にとどまりました。

一方で純利益が大きく伸びたのは、持分法適用会社だったタクシー配車アプリ「GO」が東証グロース市場に上場したことによるものです。同社は保有株式の一部売却に加え、残存持分を公正価値で再評価し、395億1,700万円を持分法による投資損益として計上しました。

この結果、持分法による投資利益は405億7,100万円に達し、税引前利益を大きく押し上げています。

ただしこれは今回限りの一過性の要因であり、今後も同じペースで純利益が伸び続けるとは限らない点には注意が必要です。

2. スポーツ・スマートシティ事業が1Q利益を牽引

事業別の内訳を見ると、2027年3月期第1四半期はゲーム事業、ライブストリーミング事業、スポーツ・スマートシティ事業、ヘルスケア・メディカル事業、新規事業・その他の5区分で構成されています。

ライブストリーミング事業は売上収益97億2,500万円(同▲2.5%)、セグメント利益9億9,400万円(同▲0.8%)とほぼ前年並み、ヘルスケア・メディカル事業は売上収益16億1,000万円(同▲3.9%)ながらセグメント損失は7億4,800万円と前年同期の13億5,300万円の損失から改善、新規事業・その他は売上収益6億2,100万円・セグメント損失5億7,000万円という内訳です。

このなかで最もセグメント利益が大きかったのは、売上収益132億1,600万円(前年同期比+16.0%)、セグメント利益45億5,100万円(同+24.4%)と好調だったスポーツ・スマートシティ事業でした。ゲーム事業のセグメント利益(38億2,600万円)を上回り、同社の第1四半期における利益を牽引しています。

主力のプロ野球球団・横浜DeNAベイスターズが前年同期より主催試合数が少なかったにもかかわらず堅調な収益を維持したことに加え、2026年3月にグランドオープンした複合施設「BASEGATE横浜関内」内の直営施設が収益に寄与しました。

なお、プロ野球は主催試合が集中する4〜9月(第1・第2四半期)に利益が偏る季節性があり、オフシーズンにあたる10月以降(第3・第4四半期)は例年、利益が縮小しやすい収益構造です。同事業にはプロバスケットボール「川崎ブレイブサンダース」(Bリーグ)も含まれますが、Bリーグは9月開幕のシーズン制のため、野球とは稼働時期が逆になります。

もっとも同事業の利益はプロ野球が主力であるため、今回の1Qでスポーツ・スマートシティ事業がゲーム事業を上回ったのも主に野球シーズンの季節要因によるところが大きく、通期でどちらが主力事業となるかは今後の四半期も含めて見極める必要があります。