ある朝、何気なくスマホのニュースサイトをみていた中堅社員の主人公。トピックスの中に「インフルエンザ流行の兆し」のタイトルを見つけます。「今年は例年より早く流行する上、感染力が高く症状も重い…と。ふーん、気をつけないとな。」

そして業務開始。主人公が係長に書類の確認をお願いしにいったところ、顔を合わせるや否や、派手なくしゃみを一発お見舞いされてしまいます。「すまんすまん。今日は体調が悪くてな。」と、謝る係長。飛び散った飛沫に「うわっ」と思いつつ、「インフルエンザが流行っているようなので、マスクをされたほうがよいかと思います。」と、大人の対応をする主人公。すると係長からは、次の返事が!

「君、俺がうつすと思っているのか?大丈夫、俺は今まで誰にもうつしたことはないんだ。それにだいたい、マスクは嫌いなんだよ。息苦しくてな。…ということで、うちのチームは『マスク禁止』な。」

「誰にもうつしたことないって…どこに、そんな根拠があるんだよ?」と心の中でつぶやく主人公。そして、脳内で妄想スイッチが入ります。

係長がくしゃみをした際に飛んだ飛沫を採取する主人公。「では、調べてみるか。」と、それを顕微鏡で覗いてみます。ああ、動いている、動いている、係長っぽい顔をしたウィルスがウヨウヨ…。しかし、これは世紀の大発見!係長にしか感染しない新種のウィルスだったのです。早速メディアで大きく取り上げられ、一躍有名になる主人公…。

「ああ、でもこのウィルスを研究したくはないなあ…。」(妄想終了)

この場はとりあえず、係長の横暴とも思える『マスク禁止』令を受け入れておくことにした主人公、「わかりました。」と返事をし、本題である書類の確認をしてもらって自席に戻ろうとします。

と、そこへ新人女子が入れ違いにやってきました。ゴーゴーとものすごい音を立てながら、彼女の方から係長に向けて風が吹きつけています。風圧に思わず顔をしかめながら、「君、なんだそれは?」と、新人女子に聞く係長。すると、体中に携帯扇風機を装着した新人女子が胸を張って答えます。

「マスク禁止と聞いたので!自己防衛策です。」

接客業など、一部の職種においては、見た目の問題でマスクの着用が禁止されることがありますが、一般的には、風邪気味でも仕事をしなくてはいけないときは、周囲にうつさないよう、マスクを着用するのは今や暗黙のルールでありマナーといわれるようになりました。マスク禁止の職種の場合でも、マスク効果のあるスプレーや薬などで、工夫をしていることが多いようです。この係長のように、周囲のことを省みず、根拠のない理屈をこねてマスクをしないというのは、はてさて、いかがなものでしょうか。

新人女子の自己防衛策の是非はさておき、風邪の季節に咳やくしゃみをしながらも、絶対にマスクを着用しない上司や同僚にイライラが募っている読者の中には、思わずニヤリとしてしまった方もいるのではないでしょうか。次回もどうぞお楽しみに。

【マンガ記事】妄想シャイン

入社3年目でようやくこなれてきたサラリーマンの主人公は、ストレスが溜まるとひたすら妄想しながら乗り切る、妄想社員。オフィスでよくある、ちょっとしたイライラやモヤモヤを、今日も妄想しながら乗り切ります。

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