「私の実家は自営業、そのため父と母が常に一緒にいる風景が自然でした。父に日常的に遊んでもらった思い出もいっぱいあります。一方、主人は典型的な昭和のサラリーマン家庭で、亭主関白な父親と専業主婦のお母さんという家庭です。
結婚後、主人は脱いだものは脱ぎっぱなし。食事の後の食器も自分では下げません。ある日、不満が爆発してしまい『私はあなたのお母さんじゃない!』と言ってしまったのです。
しかしその一方で、主人に自分の父親の影を重ねている自分に気付いてしまいました。主人は会社勤めで激務のため、平日の帰宅は深夜になることが多く、休日もなかなか子ども達と遊んでくれません。そんな主人を見て『実家のお父さんと全然違うなぁ』なんて、ぼんやり思ってしまっている自分に気が付きました。
その考えに気が付いた時、ハッとしました。自分は義母の影を重ねられてあれ程傷付いたのに、私自身が主人に実父の影を重ねていたのです。」
このエピソードの奥さまは、自分がされて嫌だったことをご主人にしていたことに気が付いてから、猛省したそうです。
現在は「育った環境が違うからこそ面白い」と思い対応できるようになりましたが、そのような心境になるまでに何度もご主人と話し合いを続けました。それぞれのスタイルを受け入れながら、新たな方向性について柔軟にご夫婦で考えていくようになったそうです。
お互いに気持ちの余裕を持つためにも
相手を責めたり、悪い所ばかり目についてしまうのは、気持ちの余裕が無いことが要因としてと考えられます。気持ちの余裕を持つためにも、思っていることは口に出し、相手に伝えるようにしましょう。
ただし、その時に心掛けたいのは「相手の話も聞くこと」「相手の立場に立った言葉使いをすること」です。自分の感情だけを先に出してキツイ言い方をしてしまっては、それこそ喧嘩の元です。コミュニケーションを取る以前の、お互いが受け入れ難い雰囲気になってしまいます。
自分がされて嫌なことは相手にもしない、そして心の中に溜め込み過ぎず、お互いで日常的に有効なコミュニケーションを取るように心掛けていきたいものです。
LIMO編集部