2. 国民年金をまとめて払った後に就職したら、その分はどうなるか

厚生年金保険料は事業主が給与から控除して納めます。それまで国民年金の保険料を自分で払っていた人が就職すると、切り替えの精算が必要になります。前納していた場合はさらに事情が絡みます。

前納後に就職した場合の還付は、LIMOの記事「国民年金を前納した直後に就職が決まっても大丈夫。未経過期間の保険料は自動で還付される仕組みを編集部が具体的な金額つきで整理して解説」から要点を借りて確認します。

2.1 未経過期間の保険料は還付される

LIMOの記事「国民年金を前納した直後に就職が決まっても大丈夫。未経過期間の保険料は自動で還付される仕組みを編集部が具体的な金額つきで整理して解説」によると、前納した期間の途中で厚生年金保険に加入した場合、まだ到来していない期間すなわち未経過期間の保険料は自動的に還付されます。

まとめて払った以上は取り消せないと思い込みやすい部分だと同記事は指摘しています。

しかし、日本年金機構の公式パンフレットには、「前納による納付済期間中に、会社等へ勤務し、厚生年金保険に加入された場合は、未経過期間の国民年金保険料は還付されます」と明記されています。前納も、通常の切り替え手続きと同様に、就職した月以降の分は精算される仕組みです。

出所:LIMO「国民年金を前納した直後に就職が決まっても大丈夫。未経過期間の保険料は自動で還付される仕組みを編集部が具体的な金額つきで整理して解説」

同記事は、この記載は前納を選ぶことをためらっていた人にとって安心材料になるとしています。途中で状況が変わったら損をするかもしれないという懸念が、割引のメリットを打ち消してしまうほど大きくはないという整理です。

2.2 前納の割引額は期間が長いほど大きい

そもそも前納にはいくらの割引があるのかです。

日本年金機構の案内によると、令和8年度の国民年金保険料は月額1万7920円です。口座振替で前納すると、期間に応じて次のような割引が受けられます。まとめて納める代わりに、支払う総額そのものが少なくなる仕組みです。

まとめる期間が長いほど、割引額も大きくなる仕組みです。2年前納であれば17370円の割引になるため、家計の見通しが立っている人にとっては魅力的な選択肢といえます。

出所:LIMO「国民年金を前納した直後に就職が決まっても大丈夫。未経過期間の保険料は自動で還付される仕組みを編集部が具体的な金額つきで整理して解説」

同記事は、1年前納なら4510円、2年前納なら17370円お得になるとまとめています。厚生年金の保険料率が固定されていることとは対照的に、国民年金の側は納め方で総額が変わります。

2.3 還付額の計算方法は公式には確認できていない

ただし還付の中身には未確定の部分があります。

同記事によると、前納の割引はその期間ずっと国民年金に加入し続けることを前提に設計されています。途中で就職して厚生年金に切り替わった場合、未経過期間分の保険料は還付されますが、その還付額が前納時の割引後の単価で計算されるのか、通常の月額単価で計算されるのかは、公式ページ上で明確には確認できていないとしています。

正確な還付額を知りたい場合は、還付の通知が届いた際にその内訳を確認するか、年金事務所に直接問い合わせることをおすすめしているという整理です。

仮に還付額が通常の月額単価で計算されるとしても、前納で得られた割引そのものがなくなるわけではないとも書かれています。実際に納付していた期間分については、前納時の割引がすでに適用済みだからです。

2.4 還付の受け皿は前納の申込時に指定している

手続きの側は先回りされています。

同記事によると、口座振替で前納を申し込む際には、国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書 兼 還付金振込方法(変更)申出書という書類を提出します。この書類名からも分かるように、口座振替の申し込みと還付金の振込方法はセットで案内される仕組みになっています。

つまり前納の口座振替を申し込んだ時点で、還付が発生した場合の振込先もあわせて指定していることになります。就職して未経過分が生じた場合、新たに何か特別な手続きをしなくても、指定した口座に還付される流れが基本だという整理です。

還付額の内訳は、日本年金機構から自宅に届く国民年金保険料過誤納額還付・充当通知書の書面に、過誤納となった具体的な期間や金額の内訳が記載されているとされています。なおクレジットカード払いで前納していた場合の還付方法は、口座振替とは案内が異なる可能性があるとも書かれています。

2.5 就職の見込みがあるなら前納の期間を短くする選択もある

選び方の目安も示されています。

同記事は、近い将来に就職の可能性がある場合、無理に長期間の前納を選ばなくてもよいとしています。早割や6カ月前納など比較的短い単位から始めることで、就職した場合の未経過分の精算も小さく済むという整理です。

逆に当面は国民年金のままでいる見込みが高い人にとっては、2年前納の割引額は無視できない大きさだとも述べています。就職活動中で結果が読めない時期は、6カ月前納程度にとどめておくという選択も現実的だという見方です。

就職して厚生年金に加入した後は、国民年金側の記録がどう更新されているかをねんきんネットで確認できるとしています。就職から一定期間が過ぎても還付の通知が届かない場合や、金額に疑問がある場合は年金事務所に問い合わせることをすすめています。

3. 料率と等級、そして切り替え時の精算を分けて確かめる

ここまで、厚生年金保険料の決まり方と、国民年金から切り替わるときの精算を見てきました。

厚生年金の側は、保険料率が平成16年から段階的に引き上げられて平成29年9月を最後に18.3%で固定され、保険料は標準報酬月額に料率を乗じて計算し、標準報酬月額は標準報酬等級表にあてはめて決まるという形でした。賞与は総支給額から標準賞与額を決めて別に計算します。保険料は事業主と被保険者が半分ずつ負担し、料額表には全額と折半額が並んでいます。

国民年金の側は、前納した期間の途中で厚生年金保険に加入した場合、未経過期間の保険料が還付されます。前納の割引は1年前納で4510円、2年前納で1万7370円です。還付額の計算方法は公式ページで明確に確認できておらず、通知の内訳を見るか年金事務所に問い合わせることになります。

まずは給与明細の控除額と料額表の折半額を突き合わせて、自分の等級を確かめるところからになります。等級の判定や、国民年金から切り替わったときの還付の見込みは、お住まいを管轄する年金事務所にご確認ください。

参考資料

LIMO編集部社会保障解説班