3. 額面が10万円増えると手取りはいくら増えるか

基礎控除が489万円を境に縮むということは、額面が同じだけ増えても、手取りへの反映がその前後で変わるということです。LIMOの記事「手取り30万・35万・40万円は年収いくら?額面666万円を境に所得税の基礎控除が104万円から67万円へ一気に縮む「隠れた崖」を編集部が徹底試算」から要点を引用します。

額面年収が400万円台から700万円台に上がると、実効手取り率はおよそ13ポイント下がります。手取りを同じ1万円増やすのに必要な額面も、約1万3300円から約1万6000円へと重くなっていきます。

出所:LIMO「手取り30万・35万・40万円は年収いくら?額面666万円を境に所得税の基礎控除が104万円から67万円へ一気に縮む「隠れた崖」を編集部が徹底試算

実効手取り率は、額面年収400万円の水準で約75.4%、550万円で約72.1%、700万円で約62.4%と下がっていきます。

700万円台で負担が重くなるのには、もうひとつ理由があります。所得税は課税所得330万円を境に税率が10%から20%に上がるため、基礎控除の段差と税率区分の上昇がこの収入帯で重なります。

4. 住民税のタイムラグにも注意

年収が上がった年ほど、翌年の手取りの感覚に注意が必要です。住民税は前年の所得を基準に計算され、翌年6月から天引きが始まります。

昇給した年の翌年は、上がった所得に応じた住民税が引かれることになります。手取りが思ったほど増えないと感じる原因のひとつがこれです。

5. 自分がどちらの区分か確かめる

基礎控除の区分は、給与所得控除を差し引いた後の合計所得金額で決まります。額面だけを見て判断すると、489万円の境目付近では読み違えます。

前年の源泉徴収票にある「給与所得控除後の金額」の欄を見れば、自分がどちらの側にいるかが分かります。賞与や残業代の増減で年収が666万円のボーダーをまたぐ年は、とくに確認しておきたいところです。

厳密に知りたい場合は、年末調整の書類を出す前に勤務先の給与担当窓口か税務署に確認してください。

6. まとめにかえて

手取り30万円は額面年収およそ456万円、手取り40万円はおよそ620万円が目安です。手取り45万円になると約714万円で、ここだけ基礎控除が67万円に変わります。

分岐点は額面年収およそ666万円です。ここを境に基礎控除が104万円から67万円へ、37万円縮みます。

源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を見れば、自分がどちらの区分かを確かめられます。昇給でボーダーをまたぐ年は、一度目を通しておきましょう。

参考資料

LIMO編集部家計解説班