投資信託って本当のところ儲かってるの? 金融庁のデータを”翻訳”してみる

(1) 計測期間によってリターンは大きく異なる

投資信託は設定時期(運用開始時期)が異なるため、ある一定時点を基準に過去1年とか過去3年とか決めてリターンを計測しなければなりません。

ところが、投資信託は一つとして同じものがないとともに、同じ種類でも相場環境によってリターンは異なるため、計測期間が同じでも優劣が生じます。ですので、勝ったか負けたかは結果を未来に託すこともあり、実のところ比較できないのが実際です。

例えて言えば、100m走の桐生選手とマラソンの川内選手を比べるようなものです。桐生選手は100mでは勝てますが、川内選手のマラソンには勝てません。逆も真なりで、正直優劣はつけられないですね。

(2)販売している投資信託は販売会社により異なる

販社によって販売している投資信託は異なります。したがって、販売している投資信託が異なる投資信託のリターンを販売会社別に比べて優劣をつけても意味がありません。

販売会社がすべて同じ投資信託を販売していて、計測期間も同じであれば参考になりますが、そうではありません。ですから、どの販売会社がより収益性の高い投資信を販売しているかどうかは、このデータからは読み取れません。

これも例えて言えば、日本生命所属の桐生選手とあいおいニッセイ同和損保所属の川内選手を比べて、どちらの所属会社が優れているかを比較するようなものです(答えは出ないですね。種目が異なりますから)。

何が手堅い資産形成方法なのか

とまあ、実際、投資信託のリターン比較はできないのです。なぜなら、本当に比較するなら、同じ日(同じ基準価額基準日)に同じ金額で異なる投資信託を購入して、同じ日に解約したとき(同じ解約価額基準日)に、絶対値でのみその2つの投資信託の比較が可能だからです。

でも、そんなことできませんよね。

ですから、筆者は金融商品をあれこれ比較しないで、長期的に良好なリターンが期待できる金融商品(たとえば、NYダウ/S&P500指数連動インデックスファンド等)による「つみたて投資」で資産形成するほうが、よっぽど手堅い資産形成方法だと常々言っているのです。

<<これまでの記事はこちらから>>

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。

あわせて読みたい

太田 創
  • 太田 創
  • 一般社団法人日本つみたて投資協会
  • 代表理事

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。現在は一般社団法人日本つみたて投資協会・代表理事。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。