離婚や死別をきっかけに、ひとりで子どもを育てていくことになったとき、真っ先に気になるのが「これからの生活費」ではないでしょうか。児童扶養手当は、こうしたひとり親家庭等の生活を支えるための手当ですが、要件に当てはまっていても、自分から手続きをしなければ受け取ることはできません。
また、遺族年金を受け取っている場合に児童扶養手当がどうなるのか分からず、「どうせもらえないだろう」と申請自体をためらってしまう人も少なくありません。
この記事では、児童扶養手当の目的と支給日、対象となる要件、離婚・死別のタイミングで必要になる手続き、そして遺族年金との併給の可否について、具体例を交えながら整理していきます。
1. 「対象のはず」で終わらせず、まず手続きの流れを確認しよう
児童扶養手当は、要件を満たす人に自動的に振り込まれる手当ではありません。
役所に自分で申請して初めて支給が始まる「申請主義」の制度であるため、離婚や死別からしばらく経ってから制度の存在を知り、さかのぼって請求できる期間を過ぎてしまったというケースも起こり得ます。
とくに遺族年金を受け取っている人は、「年金をもらっているから対象外だろう」と思い込み、確認すらしていないことも珍しくありません。まずは、支給される仕組みと、自分の状況が対象に当てはまるかどうかを、順番に確認していきましょう。
2. 児童扶養手当とは?制度の目的と支給日を確認
最初に、児童扶養手当がどのような制度で、いつ振り込まれるのかを確認しておきます。
2.1 法律上の目的は「生計を同じくしない児童が育つ家庭」の生活の安定と自立
児童扶養手当法第1条では、父又は母と生計を同じくしていない児童が育つ家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するため、当該児童について手当を支給し、児童の福祉の増進を図ることが、この制度の目的として定められています。単なる生活費の補填にとどまらず、ひとり親家庭が経済的な理由で子育てをあきらめることのないよう、国と自治体が費用を分担して支えている制度です。
2.2 支給日は年6回、奇数月の11日にまとめて振り込まれる
児童扶養手当は、毎月ではなく、1月・3月・5月・7月・9月・11月の年6回、それぞれ前の2か月分がまとめて振り込まれる仕組みになっています。支給日は「11日」とする自治体が多いものの、実はこの日付自体は法律で一律に定められているわけではなく、10日を支給日としている自治体もあります。また、支給日が土曜・日曜・祝日にあたる場合は、直前の金融機関営業日に繰り上げて支払われるのが一般的です。正確な支給日は、お住まいの自治体の案内で確認しておきましょう。
2か月分をまとめて受け取る仕組みのため、支給がない月の家計をどう回すかも、あわせて考えておきたいポイントです。
3. どんな人が対象になる?支給要件を確認
次に、実際にどのような場合に児童扶養手当の対象となるのかを確認していきます。
3.1 対象になる児童と、支給対象となる主な事由
支給対象となるのは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの児童(中程度以上の障害がある場合は20歳未満)を監護している母・父・養育者です。対象となる主な事由としては、父母の離婚、父または母の死亡、父または母が一定程度の障害の状態にあること、父または母の生死が明らかでないこと、DV防止法上の保護命令を受けたこと、父または母による1年以上の拘禁や遺棄、婚姻によらないで生まれた児童であることなどが挙げられます。
これらの事由に該当していても、前年の所得が一定額を超えている場合は、全部支給・一部支給・支給停止のいずれかに区分されます。所得制限の詳しい金額については、別記事でも詳しく解説していますので、あわせて確認してみてください。