4. 「児童扶養手当」とはここが違う。名前は似ていても別の制度である

児童育成手当と児童扶養手当は名前が似ているため、同じ手当だと思われがちですが、実際には別の制度です。国分寺市のFAQなどをもとに、主な違いを整理します。

4.1 実施主体が違う。児童扶養手当は国、児童育成手当は東京都の制度である

児童扶養手当は児童扶養手当法にもとづく国の制度で、全国の自治体で実施されています。令和8年4月分から、児童1人目の全部支給の月額は4万8050円です。

一方の児童育成手当は東京都の制度で、対象になるのは原則として都内に住んでいる人だけです。都外へ転出すると受給できなくなります。

4.2 所得制限のかかり方が違う。児童育成手当は本人の所得だけで判定される

児童扶養手当には、受給者本人だけでなく同居する扶養義務者の所得制限もあり、養育費の8割が所得に算入されます。公的年金を受け取っている場合の併給制限もあります。

これに対して児童育成手当の所得制限は受給者本人のみで、限度額も児童扶養手当より高く設定されています。児童扶養手当が所得制限で受けられない人でも、児童育成手当は対象になる場合があります。

4.3 手続きは別々になる。両方の要件を満たせばそれぞれ受給できる

2つの手当は申請も審査もそれぞれ独立しています。どちらか一方しか受け取れないという決まりはなく、両方の要件を満たせばいずれも受給できます。

児童1人で両方とも全部支給になる場合、児童扶養手当4万8050円と児童育成手当1万3500円をあわせて月6万1550円になります。

逆にいえば、児童扶養手当の申請だけで手続きを終えてしまうと、児童育成手当は受け取れないままになります。窓口は同じ区市町村の子育て関連部署であることが多いため、あわせて確認しておきましょう。

※手当の取り扱いや必要書類は自治体によって異なります。

5. 申請するときに確認しておきたい点が2つある

児童育成手当は、対象であっても自動的には支給されません。申請にあたって押さえておきたい点を2つ挙げます。

5.1 支給は申請した月の翌月分から始まる

児童育成手当は、原則として申請した月の翌月分から支給が始まります。ひとり親になった時点までさかのぼって受け取れるわけではありません。

都外から転入した場合も同様に、申請が遅れた分は受け取れません。転入や離婚にともなう手続きとあわせて、早めに申請することが大切です。

※都内の他の区市町村で同種の手当を受給していた場合は、転入後一定期間内に申請すると取り扱いが異なることがあります。

5.2 毎年6月に受給資格の審査がある

児童育成手当は一度申請すれば終わりではありません。西東京市の案内によると、毎年6月に前年の所得や家族の状況を届け出て、引き続き受給できるかどうかの審査を受けます。

収入が年によって変わる場合、ある年は所得制限にかかり、翌年はまた対象になるということもあります。対象外になった年があっても、状況が変わったら改めて確認してみましょう。

6. まとめにかえて

児童育成手当は、東京都内の区市町村が実施する都の制度で、月額は児童1人につき1万3500円です。障害のある児童を養育する人には、月1万5500円の障害手当もあります。

国の児童扶養手当とは別の手当で、所得制限は受給者本人の前年所得のみで判定されます。両方の要件を満たせば、それぞれ受給できます。

支給は申請した月の翌月分からのため、心当たりのあるかたは、お住まいの区市町村の窓口で早めに確認してみましょう。

参考資料

和田 直子