年金生活者支援給付金の案内を読んでいて、途中で読むのをやめてしまった方がいるかもしれません。所得の基準額が示されていて、自分はそれを超えていそうだと分かった時点で、対象外だと判断してしまうからです。
ところが、基準額を超えたら終わり、という制度ではありません。超えた方のための「補足的老齢年金生活者支援給付金」という枠が用意されていて、実際に106万664件が認定されています。老齢年金生活者支援給付金の450万4441件と比べると、4分の1近い規模です。
今回は、この106万人がいくら受け取っているのかを、厚生労働省の集計で確かめていきましょう。
- 所得が基準額を超えても、100万円の幅までは「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象。106万664件が認定されている
- 平均給付月額は2177円(令和7年3月時点)。老齢の4146円とは1969円の差があるが、年額にすると2万6124円になる
- 老齢は80歳代前半を底に下がるのに対し、補足的は70歳代前半を底に上がる。90歳以上の2515円が最も高い
1. 【年金生活者支援給付金】基準額を超えても終わりではない「補足的老齢年金生活者支援給付金」を106万人が受け取っている
まず、どこで線が引かれているのかを確認します。老齢年金生活者支援給付金を受け取れるのは、前年の年金収入金額とその他の所得の合計が基準額以下の方です。令和8年10月分からは、昭和31年4月2日以後に生まれた方で82万6500円、昭和31年4月1日以前に生まれた方で82万4100円が、その線になります。
確認したいのはここからです。この線を1円でも超えたら何も受け取れなくなるかというと、そうではありません。昭和31年4月2日以後に生まれた方であれば、82万6500円を超え92万6500円以下であれば、補足的老齢年金生活者支援給付金の対象になります。昭和31年4月1日以前に生まれた方は、82万4100円を超え92万4100円以下です。どちらも上に100万円の幅が用意されています。
所得の線を超えても、100万円の幅までは対象になる1/3
出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金手続きのご案内リーフレット」(令和8年度の請求書に同封)、厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成
金額の決め方も違います。老齢は、月額5620円(令和8年度)に保険料納付済期間を掛けて480月で割った額が基本です。補足的はこれに調整支給率を掛けます。昭和31年4月2日以後に生まれた方の調整支給率は、92万6500円から前年の年金収入金額とその他の所得の合計を引き、10万円で割ったものです。
つまり、所得が線に近いほど支給率は1に近づき、上限の92万6500円に近づくほどゼロに近づいていきます。基準を超えた瞬間に全額が消えるのではなく、なだらかに減っていく形です。段差をならすための仕組みだと考えると分かりやすいでしょう。
その結果として、どれくらいの方が受け取っているのか。厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和7年3月において認定されている補足的老齢年金生活者支援給付金は106万664件でした。老齢の450万4441件と並べると、決して小さな数ではありません。
