【1988年11~20位】
11.吐息でネット。(南野陽子)
12.みんなのうた(サザンオールスターズ)
13.TATTOO(中森明菜)
14.AL-MAUJ(中森明菜)
15.You're My Only Shinin'Star(中山美穂)
16.とんぼ(長渕剛)
17.C-Girl(浅香唯)
18.抱きしめてTONIGHT(田原俊彦)
19.はいからさんが通る(南野陽子)
20.命くれない(瀬川瑛子)

中森明菜、南野陽子がそれぞれ2曲ずつランクインし、浅香唯の名も見えます。南野の『吐息でネット。』は1988年のカネボウ化粧品春のイメージソング、浅香の『C-Girl』は同じく夏のイメージソングとして起用されました。浅香は1985年デビューで、翌年に『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』に主演して人気が急上昇、ヒットにつながりました。

中山美穂の『You're My Only Shinin'Star』は9位にランクインした次作『人魚姫 mermaid』とともに、中山のアイドルからアーティストへの移行を促した曲です。また『人魚姫 mermaid』は、初めて中山が『ザ・ベストテン』、『ザ・トップテン』両番組で1位を獲得した曲であり、彼女の代表曲だと言えましょう。

1位~20位を見てみると、アイドルが11組、曲数で言えば14曲がランキングに入っています。ランキングの上位のほとんどがアイドルで占められていた、これがアイドル黄金期のピークです。

オリコンチャートに見る時代の変わり目

それでは、前出の1988年に続いて、1989年、1990年のオリコンCDシングル年間売り上げランキングを見てみましょう。まずは1989年から。

【1989年】
1.Diamonds(プリンセス・プリンセス)
2.世界でいちばん熱い夏(プリンセス・プリンセス)
3.とんぼ(長渕剛)
4.太陽がいっぱい(光GENJI)
5.愛が止まらない(Wink)
6.恋一夜(工藤静香)
7.淋しい熱帯魚(Wink)
8.嵐の素顔(工藤静香)
9.黄砂に吹かれて(工藤静香)
10.涙を見せないで(Wink)

この年は工藤静香とWink が3曲同時ランクイン。プリンセス・プリンセスは2曲ランクインしています。プリンセス・プリンセスの『Diamonds』の歌詞には「針がおりる瞬間の胸の鼓動焼きつけろ」という一節がありますが、「針がおりる瞬間」とはいったい何なのか、わからない人も多くなってきたのではないでしょうか。

Winkは鈴木早智子と相田翔子からなるデュオです。アイドルの範疇にいたのですが、従来のアイドルとは異なり、笑顔がない人たちでした。しかし無愛想でも不機嫌そうでもなく、ただ感情を表情に出すことがないのです。それがとても不思議な印象を残す2人でしたが、新旧の音楽を多く取り入れてカバー曲をよく歌い、アイドルにとって厳しい時世にあって健闘しました。

そのほか、30位圏内には『TRAIN-TRAIN』(THE BLUE HEARTS)、『Runner』、『リゾ・ラバ』(BAKUFU-SLUMP)、『GLORIA』(ZIGGY)など、バンドが目立ちはじめています。『TRAIN-TRAIN』は斉藤由貴主演のテレビドラマ『はいすくーる落書』の主題歌として使用されました。

続いて1990年のランキングを見てみます。