豪雪地帯に住む人にとって、冬の除雪は避けられない作業です。体力的な負担が大きく、時間もかかります。
その負担を軽くしてくれるのが除雪機ですが、購入するとなるといくらくらいかかるのでしょうか。
家電・ガジェットのおすすめ比較サイト「Picky's」が実施した調査から確認していきます。
- 購入または購入予定の除雪機の値段は「5万円以下」が205人中71人で最多
- 選ぶ上でのポイント1位は「価格」
- 2位は「除雪方式、大きさ」で、駆動方式は充電式・電動式が半数
1. 除雪機の購入価格は「5万円以下」が最多
家電・ガジェットのおすすめ比較サイト「Picky's」を運営する株式会社rentryが、除雪機を購入した、または購入を考えていると回答した20代から70代の男女205人に調査を行いました(2024年1月9日から27日実施、インターネット調査)。それによると、購入した、または購入予定の除雪機の値段は「5万円以下」が71人で最も多い結果になりました。
除雪機というと大型の機械を想像しがちですが、最も回答が多かったのは5万円以下の価格帯でした。ただし205人中71人ですので、全体の3分の1程度という水準です。
価格帯の全体を見ると、2位が「5万円~10万円」で60人。10万円以下で131人と、全体の6割を超えます。一方で3番目に多かったのは「25万円以上」の34人で、高価格帯を選ぶ層も一定数いることがわかります。
駆動方式についても質問がなされており、「充電式・電動式」が104人で最多、「エンジン式」が85人、「ハイブリッド式」が16人でした。電動式が半数近くを占めており、玄関先やカーポート周りといった用途であれば、こうしたモデルで対応できるということでしょう。
2. 選ぶポイントの1位は「価格」
何を基準に選んでいるのかも調査されています。
除雪機を選ぶ上でのポイントは、1位が「価格」で143人。次いで「除雪方式、大きさ」が86人、「メーカー」が70人、「駆動方式」が69人と続いています。なお調査元の表記では「メーカー」は4位とされています。
価格が1位という結果は、購入価格帯が「5万円以下」に集中していることとも整合します。多くの人が予算を最優先の条件として設定しているということです。
2位の「除雪方式、大きさ」は、実用性に直結する項目です。除雪機には、雪をかき集めて飛ばす方式や、押して雪を寄せる方式など、いくつかのタイプがあります。降雪量や除雪する場所の広さによって、適したものは変わります。
3番目に多かった「メーカー」は、耐久性やアフターサービスへの信頼を反映していると考えられます。
3. 除雪機を選ぶときに考えたいこと
価格を最優先にする姿勢は合理的ですが、除雪機は使う環境との相性が重要な道具でもあります。
考慮したいのは、次のような点です。
- 除雪する範囲の広さ(玄関先だけか、駐車場や通路全体か)
- 降雪量と雪質(さらさらの新雪か、湿った重い雪か)
- 保管場所があるか
- 動力(電動式は静かで扱いやすいが、パワーは限られる。エンジン式はパワーがあるが燃料と整備が必要)
- 自身の体力(重量のある機種は取り回しが大変)
安く購入しても、実際の雪に対応できなければ結局手作業が必要になります。逆に、過剰な性能の機種を買っても、保管や整備の手間が増えるだけです。
「5万円以下」が最も多く、10万円以下で6割を超えるという結果は、多くの家庭にとってこの範囲で用が足りている場合が多いことを示しているとも読めます。
「5万円以下が最多」という結果を読むときに、ひとつ気をつけておきたい点があります。
この調査の対象は、除雪機を購入した、または購入を考えていると回答した人です。つまり集計に入っている205人は、除雪機を買う前提に立っている人ということになります。
スコップで済ませている人、業者に頼んでいる人、そもそも除雪機の必要がない地域の人は、この数字のどこにも現れません。「5万円以下が最多」は、除雪機を選ぶ人のなかでの最多であって、雪と付き合う手段全体のなかでの最多ではないということです。
選ぶポイントの1位が価格だったという結果も、同じように読めそうです。買うと決めた人が何を優先したか、という順位なのだと思います。予算が先に決まっていれば、方式や大きさはその範囲のなかから選ぶことになります。
では、買う以外の選択肢と並べたときにどう見えるのか。次の項でその整理を見ていきます。
4. 除雪にかかる費用を全体で考える
除雪機の購入は、冬季の負担を減らすための投資です。他の選択肢と比べてみると、位置づけが見えてきます。
- 除雪業者に依頼する(1回ごとに費用が発生)
- 融雪装置を設置する(初期費用は高いが手間がかからない)
- 除雪機を購入する(初期費用+燃料・整備費)
- スコップで手作業(費用はかからないが時間と体力を要する)
雪が多い地域では、シーズンを通じて何度も除雪が必要になります。業者に依頼し続ければ、数シーズンで除雪機の購入費用を上回ることもあるでしょう。
一方、雪が少ない年もあります。使用頻度と初期費用のバランスを考えることが大切です。
なお、自治体によっては除雪機の購入に対する助成制度や、除雪支援サービスを設けている場合があります。内容や要件は自治体ごとに異なり、年度によって変更されることもあるため、お住まいの自治体の窓口で確認してみてください。
5. 安全面への配慮も忘れずに
除雪機は、便利な道具である一方、取り扱いを誤ると事故につながる可能性もある機械です。
雪詰まりを取り除く際にエンジンを止める、周囲に人がいないことを確認する、取扱説明書に沿って使用する。基本的な安全対策を守ることが欠かせません。
価格や性能とあわせて、自分が安全に扱えるかどうかという視点も、選ぶ際の判断材料に加えたいところです。
6. 除雪機が必要になる地域とそうでない地域
除雪機の必要性は、住んでいる地域によって大きく変わります。
年に数回しか雪が積もらない地域では、スコップで十分に対応できます。一方、毎日のように除雪が必要な豪雪地帯では、除雪機がなければ生活そのものが成り立たないという状況もあります。
同じ日本国内でも、冬季の生活コストには差があります。暖房費、タイヤの交換費用、そして除雪にかかる費用。雪の多い地域では、冬という季節だけで追加の負担が積み上がっていきます。
回答者の約9割が「初めて」の購入だったという結果もあわせて見ると、除雪機は特別な機械ではなく、必要になったときに選ばれる道具として広がっているようです。
7. まとめにかえて
今回は、Picky'sの調査から除雪機の価格と選び方を確認しました。
- 購入または購入予定の除雪機の値段は「5万円以下」が205人中71人で最多
- 選ぶ上でのポイント1位は「価格」
- 2位は「除雪方式、大きさ」で、駆動方式は充電式・電動式が半数
冬の負担を減らす道具選びは、価格と実用性のバランスが鍵になりそうです。
8. 【執筆者コメント】スペック表を眺めているうちに
正直に申し上げると、私はこういう道具のスペック表を眺めるのが好きなほうです。山には登らないのに、ザックの容量やレインウェアの防水性能を比べてしまうところがあります。
除雪機も、除雪方式や重量、一度にどのくらいの幅を処理できるかといった項目が並んでいると、つい読み込んでしまいそうです。数字が並んでいると、それだけで選べる気になってくるところがあります。
ただ、本文にあるとおり、この道具で効いてくるのは自分の雪と場所との相性のほうなのだと思います。雪の量も雪質も、保管場所の広さも、家によって違います。カタログの数字を比べる時間より、自分が毎年どれだけの範囲を何回片づけているかを思い出す時間のほうが、役に立つのかもしれません。
安全に扱える重さかどうかという点も、表の上では見分けがつきにくい項目です。
もっとも私の場合、機種を比べているうちに満足してしまって、結局スコップを握っていそうな気もしています。
参考資料
中沢 新
