夏のボーナスが振り込まれて明細を見たとき、「思ったより少ない」と感じた方もいるのではないでしょうか。
賞与からも給与と同じように健康保険料や厚生年金保険料、所得税が差し引かれており、その差し引かれ方は年収によって変わります。
この記事では、厚生労働省「毎月勤労統計調査」の最新データから平均的な賞与額・年収の目安を確認したうえで、年収別に賞与からいくら差し引かれ、手取り率がどう変わるのかをシミュレーションします。
- 毎月勤労統計調査の最新データ(2026年6月分)によると、特別に支払われた給与(賞与など)は1人平均23万2445円
- 賞与からは健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料に加え、所得税(源泉徴収)が差し引かれる
- 年収が上がるほど賞与にかかる所得税の税率が上がり、手取り率は下がる傾向がある
1. 毎月勤労統計調査からみる、最新の平均賞与額と平均年収
まず、厚生労働省「毎月勤労統計調査」の最新データから、平均的な賞与額と年収の目安を確認します。
2026年8月5日に公表された2026年6月分結果速報(調査産業計、事業所規模5人以上、就業形態計)によると、「特別に支払われた給与」(賞与やそれに類する一時金)は1人平均23万2445円で、前年同月比3.5%の増加でした。あわせて、現金給与総額は53万1677円(同3.4%増)、うち基本給や諸手当にあたる「きまって支給する給与」は29万9232円(同3.4%増)となっています。
6月は多くの企業で夏季賞与が支給される時期にあたるため、この「特別に支払われた給与」には夏季賞与が大きく反映されていますが、3ヶ月を超える期間で算定される手当など、賞与以外の一時的な支払いが含まれる場合もある点には留意が必要です。
毎月勤労統計調査からみる平均年収の目安(令和7年実績)1/3
出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2025年分結果速報」をもとにLIMO編集部作成
年間を通じた平均年収の目安としては、2025年(令和7年)の年間結果速報から、月間現金給与総額を12倍した参考値で確認できます。
就業形態計(一般労働者とパートタイム労働者の合計平均)では月間35万5919円で、年収換算では427万1000円ほどです。一般労働者に限ると月間46万5895円で、年収換算では559万1000円ほど、パートタイム労働者では月間11万4455円で、年収換算では137万3000円ほどとなります。これらはあくまで月間の給与総額を単純に12倍した参考値であり、実際の年収は賞与の支給月や残業代の有無によって変動します。
なお、賞与だけに着目した特別集計として、毎月勤労統計調査では毎年秋に「夏季賞与」の結果がまとめて公表されています。2025年(令和7年)の夏季賞与は、賞与の支給があった事業所の1人平均で42万6337円(前年比2.9%増)、全事業所平均では36万681円(同3.2%増)でした。2026年の夏季賞与についての同様の特別集計は、例年の公表時期からみて2026年11月頃になる見通しで、本記事の執筆時点(2026年8月)ではまだ公表されていません。
2. 賞与から差し引かれるお金の仕組み
賞与から差し引かれるお金は、大きく分けて「社会保険料」と「所得税」です。住民税は、前年の所得をもとに毎月の給与から天引き(特別徴収)される仕組みのため、通常は賞与から追加で差し引かれることはありません。
社会保険料は、賞与額(1000円未満切り捨てた「標準賞与額」)に対して次の料率をかけて計算されます。
- 健康保険料:協会けんぽの令和8年度全国平均9.90%のうち、本人負担は半分の4.95%
- 厚生年金保険料:18.3%のうち、本人負担は半分の9.15%
- 雇用保険料:令和8年度の一般の事業の場合、本人負担は0.5%
所得税は、国税庁が定める「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使って計算します。賞与から社会保険料を差し引いた金額に、前月の給与額(社会保険料控除後)と扶養親族等の数に応じた税率をかけて求める仕組みで、前月の給与が高いほど、また賞与額が大きいほど、適用される税率も高くなります。