公的年金は毎年度その額が見直されます。2026年度は増額改定になりましたが、実際に自分がどれくらい受け取れるのかは、制度の組み立てを知らないと見当がつきません。

厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金を月額15万円以上受け取っている人は49.8%でした。受給者の半分に届いていません。

この記事では公的年金の2階建て構造と2026年度の改定内容を確認したうえで、2026年12月から変わるiDeCoの取り扱いを見ていきます。

ココがポイント
  • 2026年度の年金額は国民年金1.9%、厚生年金2.0%の増額で、4年度連続のプラス改定
  • 厚生年金を月額15万円以上受け取っている人は49.8%で、半分に届かない
  • 2026年12月1日から、iDeCoの加入可能年齢が70歳未満まで広がり、拠出限度額も引き上げられる

なお、公的年金の仕組みや平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント
【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント
【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

 

1. 公的年金は国民年金と厚生年金の2階建て

まず制度の組み立てを確認します。受け取る額に個人差が出る理由は、この構造にあります。

1.1 1階は全員共通の国民年金

1階部分の国民年金(基礎年金)は、原則として日本に住む20歳から60歳未満のすべての人が加入します。保険料は全員定額で、2026年度は月額1万7920円です。

保険料を全期間の480カ月納めた場合、65歳以降に満額の老齢基礎年金を受け取れます。2026年度の満額は月額7万608円です。未納の期間があれば、その分が満額から差し引かれます。

1.2 2階は収入に応じて変わる厚生年金

2階部分の厚生年金は、会社員や公務員、また特定適用事業所で働いて一定の要件を満たすパートの方などが、国民年金に上乗せして加入します。

保険料は収入に応じて決まり、受給額は加入期間と納めた保険料によって変わります。同じ年数働いていても、収入の水準が違えば受け取る額も変わるということです。

この構造については、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。

公的年金制度は、しばしば「2階建て構造」に例えられます。これは、日本の年金制度が「1階」の国民年金(基礎年金)と、「2階」の厚生年金という2つの制度で構成されているためです。

出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

公的年金の2階建て構造と、2026年度の国民年金保険料・満額。1階は全員共通、2階は収入に応じて変わります。1/2

公的年金の2階建て構造と2026年度の金額を示した図

出所:LIMO編集部作成

2. 2026年度の年金額は4年度連続のプラス改定

公的年金の金額は、賃金や物価の動向を踏まえて年度ごとに改定されます。2026年度の内容を確認します。

2.1 国民年金1.9%、厚生年金2.0%の増額

2026年度は前年度より、国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%の増額となりました。プラス改定は4年度連続です。

金額で見ると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は1人分で月7万608円、厚生年金は夫婦2人分の標準的な給付水準で月23万7279円となっています。

なお昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金は、満額1人分で月7万408円です。

2.2 国民年金だけなら満額でも月約7万円

国民年金のみを受け取る場合、満額でも月額は約7万円にとどまります。受給開始を繰り下げる制度を使い、上限の75歳まで待機して84%の増額率が適用されたとしても、月額13万円には届きません。

2階部分があるかどうかで、老後の収入は大きく変わることになります。

3. 厚生年金を月15万円以上受け取る人は49.8%

では、2階部分がある人はどれくらい受け取っているのでしょうか。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」で確認します。

3.1 平均は15万289円だが、半数は届かない

厚生年金の男女全体の平均月額は15万289円でした。この金額には1階部分の国民年金の月額部分が含まれています。

受給額別の割合については、LIMOの記事「【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント」から要点を引用して確認しておきましょう。

厚生労働省年金局の資料によると、厚生年金の受給権者のうち、月額15万円以上を受け取っている人は全体の約49.8%にのぼります。

出所:【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント

平均が15万289円であっても、その水準以上を受け取っている人は49.8%と半数に届きません。厚生年金を受給していない人まで含めて計算すれば、この割合はさらに下がります。

厚生年金の平均月額と、月15万円以上を受け取っている人の割合。平均以上の人は半数に届きません。2/2

厚生年金の平均月額と月15万円以上受給者の割合を示した図

出所:LIMO編集部作成

村岸 理美

公的年金の水準を確認したうえで、足りない部分をどう埋めるかを考える順番が大切だと思います。2026年12月からは私的年金の枠が広がるので、選択肢は増えていきます。