2025年の年金制度改正で、年金を受け取りながら働くシニアは年金が減額されにくくなります。
働いて収入を得ながら年金も受け取る。その年金の価値は、物価の動きで変わっていきます。
本記事では、2025年の年金制度改正の内容と2026年度の年金額、そして国民年金と厚生年金の平均月額を確認します。
なお、公的年金の仕組みや2026年度の年金額、平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 2025年の改正で、年金を受け取りながら働く人は年金が減額されにくくなります
- 2026年度の年金額は国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の増額です
- 月13万円の年金は物価2%が20年続くと、実質8万7486円相当になります
1. 2025年の改正で働く人に関わる見直し
「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」が、2025年6月13日の参議院本会議で可決され成立しました。
働き方や家族構成の多様化を踏まえた内容です。私的年金の拡充も柱に入っています。
働く人に関わる項目を順に見ていきます。
1.1 パート・アルバイトの厚生年金加入
- 中小企業において短時間で働く人などが、厚生年金や健康保険に加入し、年金増額などのメリットを受けられるようにする
1.2 働きながら受け取る年金の調整
- 年金を受け取りながら働くシニアが、年金を減額されにくくなり、より多く働けるようにする
1.3 遺族厚生年金の見直し
- 遺族厚生年金の男女差を解消。子どもが遺族基礎年金を受給しやすくする
1.4 計算に使う賃金の上限
- 月収が一定以上となる人が、賃金に応じた年金保険料を負担し、現役時代の賃金に見合った年金を受給しやすくする
1.5 子どもの加算や私的年金の見直し
- 子どもの加算などの見直し、脱退一時金の見直し
- 私的年金の見直し:iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)加入年齢の上限引き上げなど
公的年金が老後の受給額だけの話ではないことが分かります。現役世代の働き方にも直結する制度です。
長寿社会では、受け取る期間も長くなります。若いうちから仕組みに目を向けておきたいところです。
2. 2026年度の年金額
次に額面の水準です。2026年度の年金額について、LIMOの記事「【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」も解説」に要点が示されています。
2026年度の年金額は、国民年金が前年度比1.9%増、厚生年金(報酬比例部分)が同2.0%増の増額改定となりました。国民年金(満額・1人分)は月額7万608円、厚生年金(モデル夫婦世帯・2人分)は月額23万7279円です。ただし「ねんきん定期便」などに記載された金額は税金や社会保険料が引かれる前の「額面」であるため、実際の手取り額はこれより少なくなります。
出所:【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?
3. 国民年金と厚生年金の平均月額
実際の受給額も確かめます。厚生労働省が2025年12月に公表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」による、60歳から90歳以上までの平均年金月額です。
3.1 国民年金の平均はいくらか
- 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
- 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
- 〈女性〉平均年金月額:5万7582円
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
3.2 厚生年金の平均はいくらか
- 〈全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
出所:【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント
※国民年金の金額を含む
国民年金は男女ともに月5万円台から6万円台、厚生年金は全体で15万円台です。厚生年金の男女差は6万円ほどあります。
厚生年金の額は現役時代の賃金水準と加入期間で決まります。収入に比例して保険料を納める仕組みのためです。
今回の改正で加入期間を伸ばせる人が増えれば、この部分も動いていきます。



