早いもので今年も8月下旬となり、少しずつ秋の気配を感じる季節になりました。令和8年度の税制改正では、物価上昇に連動して基礎控除の額が4万円引き上げられることが決定されるなど、私たちの家計を取り巻くルールが変化しています。
会社員にとって秋口から少しずつ意識し始めたい税金の手続きといえば、年末調整です。住宅ローンや教育費などで支出がかさむ30〜50歳代のファミリー世帯こそ、慌ただしい年末を迎える前の秋のうちから確認しておくことをおすすめします。
今回は、知らずに手続き漏れをしてしまいがちな「3つの控除(税金の負担を軽くする制度)」のポイントについて、ファイナンシャルプランナー(FP)が詳しく解説します。
- 子どもが高校生(16歳以上)になった際の扶養控除の注意点
- 離れて暮らす両親を扶養に入れるための条件と手続き
- ドラッグストアの市販薬で税金が戻る「セルフメディケーション税制」の仕組み
1. 子どもが高校生になったら要確認「16歳以上の扶養控除」
子育て世帯が真っ先に確認しておきたいポイントの一つが、子どもの成長に伴う手続きの変更です。子どもが小さいうちは児童手当の手続きを意識しますが、税金面では高校生になる年齢のタイミングで大きな変化が訪れます。子どもが16歳以上になると、年末調整で「扶養控除」という制度を利用できるようになります。
ここで注意したいのが、「子どもが生まれたときからずっと扶養家族として会社に届けているから、自動的に処理されているはず」という思い込みです。実は、その年の12月31日時点で16歳未満の子どもは「年少扶養親族」となり、所得税の扶養控除の対象外です。しかし、住民税の非課税限度額の計算や児童手当の受給などに深く関係するため、年末調整で正しく申告する必要があります。 子どもが16歳(高校1年生の学年)になったタイミングで、本来受けられるはずの38万円の控除が適用されるよう、年齢を改めて確認し、記入漏れがないかチェックしましょう。
2. 離れて暮らす実家の両親も対象に?「老人扶養控除」とは
次に見落としがちなのが、高齢になり年金暮らしをしているご両親に関する控除です。扶養家族は一緒に住んでいる家族だけと考えがちですが、税法上の扶養は同居が必須条件ではありません。離れて暮らしている両親であっても、一定の条件を満たしていれば「老人扶養親族」として控除の対象となる可能性があります
2.1 主な条件と控除額
- 年齢の条件:その年の12月31日時点で70歳以上であること
- 所得の条件:年間の合計所得金額が48万円以下であること
- 生計の条件:納税者と生計を一にしている状態(自分が仕送りをして生活費を支えているなど)
控除額(所得税)
- 同居老親等以外の場合 48万円
- 同居老親等の場合 58万円
の条件を満たして申請すると、別居している両親1人につき48万円の控除が適用される可能性があります。ただし、この制度を適切に利用するためには、税務署に対して「本当に仕送りをしている」という客観的な証明が必要になります。
手渡しで現金を渡している場合は証拠にならないため、必ず銀行振込などを利用し、自分の口座から両親の口座へ定期的にお金が移動している履歴を残しておく必要があります。



