フリマアプリで不要品を売る、リサイクルショップで掘り出し物を探す、中古のブランド品を選ぶ。中古品の売買は、いまや特別な行為ではなくなりました。

この「リユース」の市場は、国内でどれくらいの規模になっているのでしょうか。

本記事では、環境省が公表している2023年の調査報告書をもとに、リユース市場の規模や商品別の内訳、市場が拡大している背景を分かりやすく解説します。

ココがポイント
  • 2023年の国内リユース市場規模は3兆1227億円
  • 商品別で最多は「衣料・服飾品」の5913億円
  • 次いで「ブランド品」3656億円、「家具・家電」2775億円

1. 2023年の国内リユース市場規模は3兆1227億円

環境省が公表している資料によると、2023年における国内のリユース市場規模(国内の消費財における販売額)は3兆1227億円でした。

国内の玩具市場が約1兆992億円、カプセルトイ市場が約1960億円であることを踏まえると、リユース市場はその何倍もの大きさです。

新品を売る市場とは別に、いったん誰かの手に渡ったモノが再び取引される市場が、3兆円規模で存在している。それが現在の日本の消費構造です。

2. リユース市場の内訳:トップは「衣料・服飾品」

市場全体を牽引している上位3カテゴリーは以下の通りです。

  • 1位 衣料・服飾品:5913億円
  • 2位 ブランド品:3656億円
  • 3位 家具・家電:2775億円

最も多いのは「衣料・服飾品」で5913億円。市場全体の約19%を占めています。次いで「ブランド品」が3656億円、「家具・家電」が2775億円の順です。

衣料品がトップに立つ理由は、いくつか考えられます。単価が比較的手ごろで出品も購入もしやすいこと、サイズや好みが変わって手放す機会が多いこと、そして写真1枚で状態が伝わりやすくフリマアプリと相性がよいことなどです。

ブランド品は1点あたりの単価が高いため、取引件数が少なくても金額が大きくなります。真贋(しんがん)鑑定や査定を担う専門事業者が整っていることも、市場の厚みにつながっています。

2.1 3兆円の内訳に見えない「残り1.9兆円」の正体

上記トップ3の合計は約1兆2300億円ですが、残りの約1兆9000億円はどのような商品でしょうか。

実は、書籍、ゲーム・ホビー、自転車、スポーツ用品、ベビー用品など非常に幅広い分野に及びます。特定のジャンルが突出しているというより、あらゆるカテゴリーで中古取引が定着していることが、3兆円という規模を支えています。

3. なぜ中古市場は拡大している?3つの背景

リユース市場が3兆円規模まで成長した背景には、複数の要因が重なっています。

  • スマホとフリマアプリの普及: 個人が手軽に出品できる環境が整い、捨てられていたモノが市場に流通するようになった。
  • 環境意識の高まり: 大量生産・大量廃棄を見直し、モノを長く大切に使う価値観が浸透した。
  • 物価高による家計防衛: 必要なものを安く買い、不要品を売って収入を得る合理的な行動が定着した。

「もったいない」という感覚と「お得」という実利、そして「環境によい」という納得感が、市場の追い風になっています。

4. 物価高を乗り切る!家計から見たリユースの活用

リユースは、買う側・売る側の双方に大きなメリットがあります。

  • 買う側のメリット: 同じ予算でより上質なものを選べる。子ども用品など使用期間が限られるものは特に効果が大きい。
  • 売る側のメリット: 処分費用がかかるはずの家具や家電が収入に変わる。

購入時から「将来売ることを想定して選ぶ」という視点を持つのも一案です。人気ブランドや定番品は値がつきやすく、実質的な負担額を抑えられます。

ただし、送料や手数料、梱包の手間を差し引くと手元に残る額が少なくなることもあります。金額と手間のバランスを見て判断しましょう。

5. まとめ:環境政策としても自立するリユース

1つの製品が複数人に渡れば、新しく製造・廃棄される量が減るため、リユースは環境負荷の低減効果が大きいとされています。

市場規模が3兆円を超えたことは、リユースが啓発活動の枠を超え、消費者にとって合理的な経済活動として自立・定着した証です。クローゼットに眠っている服も、この3兆円市場の予備軍かもしれません。整理のついでに、まずは売れるかどうか調べてみてはいかがでしょうか。

参考資料

LIMO編集部