年金は原則65歳からですが、60歳から75歳までの間で受け取り始める年齢を選べます。
前倒しすれば1か月あたり0.4%減り、遅らせれば1か月あたり0.7%増えます。ただし繰上げ請求は取り消せず、あとから戻すことはできません。
本記事では年代別の平均月額を確認したうえで、月5万円から25万円までの人が受給開始年齢を変えるといくらになるのかを早見表にまとめます。
なお、2026年度の年金額と公的年金の仕組み、年代別の平均受給額については、下記の記事から一部を引用・参照しています。
- 繰上げ請求は取り消せず、国民年金の任意加入や保険料の追納もできなくなります
- 繰上げは1か月0.4%減で60歳なら24%減、繰下げは1か月0.7%増で75歳なら84%増です
- 65歳で月15万円の人なら、60歳受給は11万4000円、75歳受給は27万6000円になります
1. 2026年度の年金額。率がかかるのは額面の金額!
増減率がかかるのは今年度の年金額です。「【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?」から改定内容を引用します。
2026年度の年金額は、国民年金が前年度比1.9%増、厚生年金(報酬比例部分)が同2.0%増の増額改定となりました。国民年金(満額・1人分)は月額7万608円、厚生年金(モデル夫婦世帯・2人分)は月額23万7279円です。ただし「ねんきん定期便」などに記載された金額は税金や社会保険料が引かれる前の「額面」であるため、実際の手取り額はこれより少なくなります。
出所:【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?
率がかかるのは額面です。その額面から引かれる項目も引用しておきます。
6月に届く「年金額改定通知書」「年金振込通知書」では、今年度の年金額と実際の振込額を確認できます。「年金振込通知書」には、介護保険料、公的医療保険料、個人住民税・森林環境税、所得税・復興特別所得税といった年金からの天引き(特別徴収)の内訳が記載されています。なお、天引きには前年度の情報をもとに仮の金額を徴収する「仮徴収(4・6・8月)」と、確定額から仮徴収分を差し引いて調整する「本徴収(10・12・2月)」があり、10月以降に天引き額が増えて手取りが減るケースもあります。
出所:【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?
2. 年金の2階建てとは?繰上げ・繰下げは両方の部分にかかる
制度の形は「【2026年最新版】老齢年金一覧表「60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上」の平均年金月額はいくら?手取りのリアルと5つの公的給付金」から引用して確認します。
日本の公的年金は、2階建て構造で、1階部分が国民年金(基礎年金)、2階部分が厚生年金(会社員・公務員)となっています。国民年金は、20歳以上60歳未満のすべての人が対象となる基礎的な年金制度です。自営業やフリーランス、学生などが主に加入し、保険料は自分で納めます。受給額は加入期間に応じて決まりますが、満額でも月約7万円程度が目安です。厚生年金は、会社員や公務員が加入する年金制度で、国民年金に上乗せして支給されます。保険料は給与から天引きされ、収入や加入期間によって将来の受給額が変わります。
出所:【2026年最新版】老齢年金一覧表「60歳代・70歳代・80歳代・90歳以上」の平均年金月額はいくら?手取りのリアルと5つの公的給付金
3. 60歳代の平均月額。繰上げを選んだ人の水準もチェック
実際の受給額を見ておきます。年代別の年金一覧表で1歳刻みの平均月額を確認します。
60歳代から80歳代まで、厚生年金と国民年金を順に並べます。
なお、記事内で紹介する厚生年金の月額には、国民年金の月額部分が含まれています。
3.1 60歳代の厚生年金、1歳ごとの平均
- 60歳:9万9664円
- 61歳:10万4455円
- 62歳:10万9323円
- 63歳:6万8758円
- 64歳:8万3901円
- 65歳:14万9862円
- 66歳:15万2378円
- 67歳:15万2356円
- 68歳:15万2709円
- 69歳:15万1284円
出所:【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?
3.2 60歳代の国民年金、1歳ごとの平均
- 60歳:4万5186円
- 61歳:4万6371円
- 62歳:4万7784円
- 63歳:4万7258円
- 64歳:4万7896円
- 65歳:6万1240円
- 66歳:6万1369円
- 67歳:6万1345円
- 68歳:6万1293円
- 69歳:6万978円
出所:【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?
65歳から69歳の平均は厚生年金が14万〜15万円台、国民年金が6万円台という並びです。
60歳から64歳の水準が低いのは、繰上げ受給(※1)を選んだ人や、特別支給の老齢厚生年金(※2)の報酬比例部分だけを受け取る人が含まれるためです。減額された金額がそのまま平均に表れています。
※1 繰上げ受給:老齢年金を60歳から64歳までの間に前倒しで受け取ること。繰り上げた月数に応じて1か月0.4%が減額され、決まった率は生涯変わりません。
※2 特別支給の老齢厚生年金:昭和60年の法改正で厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳へ引き上げられた際、段階的な移行のために設けられた制度。年齢などの条件を満たす人が受け取れます。
4. 70歳代の平均月額
次に70歳代です。繰下げを選んだ人も含まれる年齢層になります。
4.1 70歳代の厚生年金、1歳ごとの平均
- 70歳:15万455円
- 71歳:14万8371円
- 72歳:14万6858円
- 73歳:14万5583円
- 74歳:14万7774円
- 75歳:15万1410円
- 76歳:15万1241円
- 77歳:15万962円
- 78歳:15万862円
- 79歳:15万3115円
出所:【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?
4.2 70歳代の国民年金、1歳ごとの平均
- 70歳:6万1011円
- 71歳:6万770円
- 72歳:6万234円
- 73歳:6万32円
- 74歳:5万9813円
- 75歳:5万9659円
- 76歳:5万9555円
- 77歳:5万9349円
- 78歳:5万9124円
- 79歳:5万8676円
出所:【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?
70歳代は厚生年金が14万〜15万円台、国民年金が5万〜6万円台に収まっています。
5. 80歳代の平均月額。厚生年金は16万円台に
80歳代についても確認しておきます。
5.1 80歳代の厚生年金、1歳ごとの平均
- 80歳:15万3729円
- 81歳:15万5460円
- 82歳:15万7744円
- 83歳:15万9994円
- 84歳:16万2555円
- 85歳:16万3947円
- 86歳:16万5577円
- 87歳:16万5557円
- 88歳:16万6200円
- 89歳:16万6767円
出所:【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?
5.2 80歳代の国民年金、1歳ごとの平均
- 80歳:5万8623円
- 81歳:5万8269円
- 82歳:5万8003円
- 83歳:5万7857円
- 84歳:5万9675円
- 85歳:5万9425円
- 86歳:5万9228円
- 87歳:5万9204円
- 88歳:5万8756円
- 89歳:5万8572円
出所:【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?
80歳代の厚生年金は16万円台、国民年金は5万8000円台が中心という水準でした。
いずれも各年齢の平均です。受給開始年齢の選択によっても、金額は変わってきます。
6. 年金の平均月額と個人差。早見表を読む前に押さえたい水準
早見表を見る前に、自分がどのあたりにいるのかを確かめておきたいところです。
60歳以上の受給権者全体の平均と、金額帯ごとの人数を確認します。
6.1 厚生年金の平均は15万289円という水準
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
※国民年金部分を含む
6.2 厚生年金は月10万円台から19万円台に人が多い
- ~1万円:4万3399人
- 1万円以上~2万円未満:1万4137人
- 2万円以上~3万円未満:3万5397人
- 3万円以上~4万円未満:6万8210人
- 4万円以上~5万円未満:7万6692人
- 5万円以上~6万円未満:10万8447人
- 6万円以上~7万円未満:31万5106人
- 7万円以上~8万円未満:57万8950人
- 8万円以上~9万円未満:80万2179人
- 9万円以上~10万円未満:101万1457人
- 10万円以上~11万円未満:111万2828人
- 11万円以上~12万円未満:107万1485人
- 12万円以上~13万円未満:97万9155人
- 13万円以上~14万円未満:92万3506人
- 14万円以上~15万円未満:92万9264人
- 15万円以上~16万円未満:96万5035人
- 16万円以上~17万円未満:100万1322人
- 17万円以上~18万円未満:103万1951人
- 18万円以上~19万円未満:102万6888人
- 19万円以上~20万円未満:96万2615人
- 20万円以上~21万円未満:85万3591人
- 21万円以上~22万円未満:70万4633人
- 22万円以上~23万円未満:52万3958人
- 23万円以上~24万円未満:35万4人
- 24万円以上~25万円未満:23万211人
- 25万円以上~26万円未満:15万796人
- 26万円以上~27万円未満:9万4667人
- 27万円以上~28万円未満:5万5083人
- 28万円以上~29万円未満:3万289人
- 29万円以上~30万円未満:1万5158人
- 30万円以上~:1万9283人
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
厚生年金の平均は15万289円、男性16万9967円、女性11万1413円です。
収入と加入期間の違いが差につながっており、繰上げ・繰下げの前の金額そのものが人によって違います。
分布は月1万円未満から30万円超まで広がっています。早見表の月5万円から25万円という幅は、この分布を踏まえたものです。
まずは自分の月額を押さえることが、受給開始年齢を考える前提になります。
6.3 国民年金の平均は5万9310円という水準
- 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
- 〈女性〉平均年金月額:5万7582円
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
6.4 国民年金は金額帯ごとにどれだけの人がいるか
- 1万円未満:5万1828人
- 1万円以上~2万円未満:21万3583人
- 2万円以上~3万円未満:68万4559人
- 3万円以上~4万円未満:206万1539人
- 4万円以上~5万円未満:388万83人
- 5万円以上~6万円未満:641万228人
- 6万円以上~7万円未満:1715万5059人
- 7万円以上~:299万7738人
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
国民年金は男女ともに6万円台が中心の水準です。
人数が多いのは6万円以上7万円未満で、満額(2026年度は月7万608円)に近い水準の人が目立ちます。
保険料が定額なので、金額の差は納付月数から生まれます。
7. 2025年の年金制度改正。働きながら繰下げを待つ場合
繰下げを選ぶなら、待っている間の働き方も考える必要があります。
2025年6月13日に成立した年金制度改正法には、働く人に関わる見直しが含まれます。
7.1 適用拡大① 短時間労働者の加入要件の変更
- 賃金要件の撤廃:3年以内にいわゆる「年収106万円の壁」撤廃へ
- 企業規模要件の撤廃:10年かけて段階的に対象の企業を拡大(※)
※2025年7月時点では「51人以上」
7.2 適用拡大② 個人事業所への適用拡大
- 2029年10月から個人事業所の社会保険の適用対象(※)が、従業員5人以上の全業種に拡大(2029年10月時点における既存事業所は当面除外)
※2025年7月現在「常時5人以上の者を使用する法定17業種」は加入必須。(法定17業種とは:①物の製造、②土木・建設、③鉱物採掘、④電気、⑤運送、⑥貨物積卸、⑦焼却・清掃、⑧物の販売、⑨金融・保険、⑩保管・賃貸、⑪媒介周旋、⑫集金、⑬教育・研究、⑭医療、⑮通信・報道、⑯社会福祉、⑰弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業
7.3 在職老齢年金は基準額の引き上げで減りにくくなる
2026年4月から、年金が減額される基準額(※)が月収51万円(2025年度の金額)から65万円へ緩和されました。繰下げを待ちながら働く場合の負担が軽くなります。
※支給停止調整額(年金が減額される基準額):年金を受給しながら働くシニアの「賃金+老齢厚生年金」の合計がこの金額を超えると、年金支給額が調整される。
7.4 計算に使う賃金の上限も段階的に引き上げ
保険料と年金額の計算に使う賃金の上限(※1)は、月65万円から75万円へ段階的に引き上げられます(※2)。65歳以降も働く人の年金額に反映されます。
※1 標準報酬月額:厚生年金や健康保険の保険料、年金額を計算するために、月々の報酬と賞与を一定の幅で区切った基準額のこと
※2 2027年9月から68万円、2028年9月から71万円、2029年9月から75万円に引き上げ











