株式市場の振り返り-日経平均株価はわずかに3日続伸、改めて上値の重さを意識
2019年9月24日(火)の主要指標(カッコ内は前日終値比)
- 日経平均株価 22,098円(+19円、+0.1%) わずかに3日続伸
- TOPIX 1,622.9(+6.7、+0.4%) 3日続伸
- 東証マザーズ株価指数 879.6(+15.6、+1.8%) 大幅3日続伸
東証1部上場銘柄の概況
- 値上がり銘柄数:1,329、値下がり銘柄数:729、変わらず:93
- 値上がり業種数:23、値下がり業種数:10
- 年初来高値更新銘柄数:171、年初来安値更新銘柄数:2
東証1部の出来高は12億833万株、売買代金は2兆2,782億円(概算)となり、いずれも先週末より減少しました。中東情勢の悪化や米中貿易摩擦問題の進展期待など、好材料と悪材料が交錯しましたが、3連休明けということもあり様子見スタンスが支配的だったようです。それでも、売買代金は2兆3,000億円に迫る水準を確保し、これで9日連続の2兆円超えとなりました。
そのような中、日経平均株価はほぼ終日プラス圏で推移しましたが、上値の重さが改めて認識されました。寄り付き直後に一時▲1円安となりましたが、前場の半ばには一時+89円高まで切り返す場面が見られました。ただ、その後は上値が重くなり、結局はわずかな上昇で引けています。これで3日続伸となりましたが、改めて上値の重さが意識された値動きだったと言えましょう。
なお、TOPIXも同じような値動きで3日続伸となりましたが、上昇率は日経平均株価を大きく上回りました。これは、中小型株を含めた全般的に下値を拾う動きが出たことを示唆しています。
東証マザーズ株価指数は大幅3日続伸、売買代金は33日連続で1,000億円割れ
東証マザーズの出来高は5,240万株、売買代金911億円となりました。出来高は先週末並みでしたが、売買代金はやや減少しています。売買代金は33日連続で1,000億円を下回りましたが、先週末に続き1,000億円に近づくなど、久々に個人投資家の物色意欲が回復した印象があります。
また、株価指数も+2%高に迫る大幅上昇を果たし、3日続伸となりました。この回復傾向が一時的なものかどうかまだ懐疑的ですが、今後の個人投資家の動向に注目が集まりましょう。
吉野家HLDなど外食株が高値更新、インドの法人税引き下げでスズキが連日の急騰
個別銘柄では、KDDI(9433)が大幅高となり年初来高値を更新し、信越化学工業(4063)やセコム(9735)など指数寄与度の高い主力株が連日での年初来高値更新となりました。
また、トヨタ自動車(7203)が再び年初来高値を更新し、中外製薬(4519)は3日連続で年初来高値を更新しています(上場来高値でもあります)。さらに、ハイテク株では、アドバンテスト(6857)が再び高値を付け、カシオ計算機(6952)は3日連続の高値更新となりました。
その他では、増税で苦戦が予想される外食関連株が買い戻され、吉野家ホールディングス(9861)、松屋フーズホールディングス(9887)、日本KFCホールディングス(9873)などが年初来高値を更新しています。
また、先週末に発表されたインドの法人税引き下げを背景に、スズキ(7269)が一時+5%超高の急騰となる連日の大幅上昇となったことも目を引きました。
なお、ゲーム関連株も引き続き物色され、コロプラ(3668)は連日でストップ高となり、レジャー関連ではオリエンタルランド(4661)も再び上場来高値を更新して引けています。
一方、ハイテク株の一角が売りに押され、リコー(7752)とキヤノン(7751)が大幅安となり、NEC(6701)、京セラ(6971)、パナソニック(6752)なども大きく値を下げました。
また、先週末に急落したヤマトホールディングス(9064)は小幅に値を下げて、連日で年初来安値更新となっています。
新興市場(東証マザーズ)では、先週末に一時ストップ高まで買われたサンバイオ(4592)が大幅反落となりました。一方、メルカリ(4385)が大幅高となっています。
なお、24日に新規上場のChatwork(4448)は、公開価格(1,600円)を下回る1,480円の初値となった後、終値は1,400円まで下落するなど冴えない値動きで初日を終えています。
葛西 裕一