4. 【元銀行員の視点】加入記録が途切れているケースは意外に多い

窓口業務のなかで、お客様との雑談を通じて耳にすることがあったのが、加入記録の空白についての話でした。

4.1 転職や退職の合間に厚生年金から外れている

転職や退職の合間に、厚生年金から外れていた期間があった、という話は一度ならず耳にしました。
ご本人の記憶では続いているつもりでも、記録では途切れている、というケースです。

思っていたよりも受給額が少なくなる原因は、この空白にあることが少なくありません。

4.2 記憶よりも記録を確かめる

「ずっと働いていたから大丈夫」という感覚と、実際の記録は一致しないことがあります。
とくに20歳代や30歳代の頃の記録は、本人も覚えていないものです。

だからこそ節目年齢の封書で全期間を見られるタイミングが役に立ちます。

5. 【確認方法】加入記録の抜けを見つける3つの手順

記録の空白は、順番に見ていけば気づけます。

5.1 勤めていた期間と記録を突き合わせる

これまでに勤めた会社と在籍期間を書き出し、ねんきん定期便の厚生年金の記録と突き合わせます。
空白の月がないかを確かめます。

5.2 20歳代の国民年金の記録を見る

学生時代や就職前の期間について、国民年金の記録がどうなっているかを確かめます。
学生納付特例を使っていた期間があれば、その扱いも確認しておきます。

5.3 ねんきんネットで全期間を見る

ハガキでは全期間が載らない年齢の人でも、ねんきんネットを使えば加入記録の全期間を確認できます。
誕生月を待たずに見られる点が利点です。

6. ねんきん定期便で気をつけたいこと2点

数字を読むうえで、知っておきたい点が2つあります。

6.1 見込額は前提が変わると動く

50歳以上に示される見込額は、60歳到達の前月まで継続して加入し保険料を納めると仮定した金額です。

早期に退職する予定がある人や、働き方を変える予定がある人は、この前提が崩れるため金額も変わります。
前提を確かめずに額面だけを受け取らないほうが安全です。

6.2 記録に疑問があれば自己判断で済ませない

加入記録に見覚えのない空白があった場合、自分で結論を出すのは難しいところです。
転職時の手続きの経緯や、当時の勤務先の届出状況など、記録を追う必要があります。

ねんきんダイヤルや年金事務所に相談すると、記録の照会を進められます。

7. 届いたら加入期間の空白を確かめる

ねんきん定期便は毎年の誕生月に届き、節目年齢である35歳・45歳・59歳の人には全期間を知らせる封書が届きます。

見るのは年金加入期間、これまでの保険料納付額、年金額の欄の3か所です。50歳未満と50歳以上で年金額の意味が違うため、自分がどちらなのかを踏まえて読むことが大切です。

加入記録に空白が見つかった場合や、見込額の前提について分からない点がある場合は、ねんきんダイヤルや年金事務所に相談して確かめてください。

参考資料

中本 智恵