創立40周年を前にした発表会にサプライズはなかったが・・・

米アップルは2016年3月21日(現地時間)、本社(米カリフォルニア州、クパチーノ)でApple Special Eventを開催しました。今回は4月1日に創立40周年を迎えるため、同社ウェブサイト上の動画で視聴できるプレゼンテーションでは、過去40年間を40秒で振り返るビデオから始まり、その後、新製品の発表が行われました。

今回のメインイベントは、iPhone 6s / 6s Plus の後継機ではなく、4インチ液晶搭載の「iPhone SE」というiPhone 5Sの改良版の発表という、どちらかというとマイナーな新製品の発表でした。それでも、過去40年を振り返ったり、最近話題になっているセキュリティ問題にも言及するなど、内容は盛りだくさんで、アップルのメディア戦略の巧みさを感じさせるものでした。

さて、肝心の新製品ですが、今回は上記のiPhone SEに加え、9.7インチのiPad Proが発表されました。また、アップルウオッチの値下げも発表されました。

4インチ液晶を搭載したiPhone SEは、4.7インチ液晶では大き過ぎると不満を感じていたユーザーの買い替え需要が期待できます。また、iPad Proも12.9インチに9.7インチが加わることで、ユーザー層が広がる可能性があります。

一方、アップルウオッチを値下げしたということは、現行モデルが期待ほど売れていないことの表れだと考えられますが、見方を変えれば、新製品の発売が近いということを示唆すると考えられますので、それほど悪い話ではありません。

このため、今回のイベントには総じてビッグサプライズはなかったものの、ネガティブとは言えないと判断できると思います。

アップル及びアップル関連銘柄の株価はどうなったか

2016年3月22日のアップルの株価は、寄り付きは高く始まりましたが、今回のイベント内容が伝わった後は、一時下落に転じ、結局は前日比▲0.01%安で引けました。

上記のように、決してネガティブなニュースではありませんでしたが、今回のイベント前に株価は既に上昇傾向にあったため、発表後は材料出尽くしとなったと考えられます。まさに「噂で買ってニュースで売る」という投資格言そのものの動きです。

一方、日本のアップル関連銘柄である村田製作所(6981)、アルプス電気(6770)、日東電工(6988)、NOK(7240)は、連休明けの3月22日は高く引けています。

ちなみに、アップルの株価は、2016年1月27日に年初来安値を付けたのち、3月18日までに+13%上昇しています。これに対して日本のアップル関連の同期間の騰落率は、村田製作所が▲3%下落、アルプス電気が▲22%下落、日東電工が▲6%下落、NOKが▲23%下落と、アップルに比べ、大幅に出遅れています。

この大きな要因は円高進行だと推測されますが、アップル株の見直し買いが進んできた中で、日本の関連株が出遅れているは少し気になるところです。

アップルは、今秋には、iPhone 6s / 6s Plusの後継機を投入するという報道が多く見られるため、再び「噂で買ってニュースで売る」の動きが再燃する可能性もあります。そのため、出遅れている日本のアップル関連株についても、より一層注視していきたいと思います。

【2016年3月22日 投信1編集部】

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LIMO編集部