65歳が近づいてくると、年金は自分で手続きをするものなのか、それとも自動的に振り込まれるものなのかが気になる方もいるのではないでしょうか。

日本年金機構が公表している「主な行事・通知書発送の年間予定表」によると、2026年8月14日に「老齢年金請求書(事前送付用)」が発送されます。

この対象は、昭和36年11月21日から12月1日生まれの方(男女)と、昭和38年11月21日から12月1日生まれの女性です。

この記事では、8月14日に「年金請求書」が届くのはどんな方なのか、そして対象が65歳と63歳に分かれる理由について解説します。

1. 「年金請求書」が8月14日に発送される人 この記事の3つのポイント

  •  2026年8月14日に「老齢年金請求書(事前送付用)」が発送されます
  •  対象は昭和36年11月21日から12月1日生まれ(男女)と、昭和38年11月21日から12月1日生まれの女性です
  •  届いても、提出できるのは受給開始年齢の誕生日の前日からです

2. 「年金請求書」が8月14日に送付されるのは昭和36年・昭和38年生まれのどの人か

老齢年金請求書(事前送付用)は、同じ年に生まれた方へ一斉に送られるわけではありません。日本年金機構は生年月日を10日前後の幅で区切り、毎週金曜日を中心に少しずつ発送しています。

まずは、2026年8月から9月にかけての発送日をご覧ください。

8月14日発送分の対象は、昭和36年11月21日から12月1日生まれ(男女)と、昭和38年11月21日から12月1日生まれ(女性)です。

2026年8月から9月の老齢年金請求書(事前送付用)の発送日と対象生年月日の一覧表1/1

2026年8月から9月の老齢年金請求書(事前送付用)の発送日と対象生年月日の一覧表

出所:日本年金機構「主な行事・通知書発送の年間予定表」を参考にLIMO編集部作成

2.1 昭和36年11月21日から12月1日生まれの方(男女)

この生年月日にあてはまる方は、2026年11月下旬から12月上旬に65歳を迎えます。その約3か月前にあたるのが8月14日です。

老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取る権利は、原則として65歳から発生します。男女を問わず対象になるのは、この年代が65歳を境に年金を受け取り始める世代だからです。

なお、同じ昭和36年生まれでも、11月20日以前に生まれた方の請求書はすでに発送が終わっています。8月14日に届くのは、あくまで11月21日から12月1日生まれの方に限られます。

2.2 昭和38年11月21日から12月1日生まれの女性

こちらは2026年11月下旬から12月上旬に63歳を迎える方です。65歳より2年早く請求書が届きます。

これは「特別支給の老齢厚生年金」という、65歳より前に受け取れる年金があるためです。女性は男性より支給開始年齢の引き上げが遅く設定されており、昭和38年4月2日から昭和39年4月1日生まれの女性は63歳から対象になります。

3. 「年金請求書」の対象が65歳と63歳に分かれる理由

同じ日に発送されるのに、片方は65歳、もう片方は63歳です。この違いは、受け取る年金の種類そのものが異なることから生まれています。

3.1 63歳で届くのは「特別支給の老齢厚生年金」の案内

特別支給の老齢厚生年金は、支給開始年齢が60歳から65歳へ段階的に引き上げられる過程で設けられた年金です。生年月日と性別に応じて、受給開始年齢が決まります。

日本年金機構によると、この年金を受け取るには、老齢基礎年金の受給資格期間である10年を満たしていること、厚生年金保険等に1年以上加入していたことなどが必要です。

男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた方が対象になります。昭和38年生まれの男性が8月14日発送分に含まれていないのは、この生年月日の要件から外れているためです。

3.2 昭和36年生まれの女性が65歳で届くケース

ここで疑問に思われるかもしれません。昭和36年生まれの女性であれば、すでに62歳で特別支給の老齢厚生年金の対象になっているのではないか、という点です。

日本年金機構の案内では、65歳になる方への事前送付の対象は、男性が加入期間10年以上の方、女性は加入期間10年以上でかつ厚生年金保険と共済組合の加入期間が1年未満の方と示されています。

つまり、厚生年金保険等の加入期間が1年以上ある昭和36年生まれの女性は、すでに62歳のときに請求書を受け取っています。8月14日に65歳の枠で届く女性は、厚生年金保険等の加入期間が1年に満たない方が中心になります。

4. 「年金請求書」が届いても、提出できるのは誕生日の前日から

手元に届いた書類は、早めに出しておきたくなるものです。ただし、この請求書には受け付けてもらえる時期が決まっています。

4.1 受給開始年齢の前に提出すると受け付けられません

日本年金機構は、年金請求書について「受給開始年齢の誕生日の前日以降に、添付書類とともに年金事務所へご提出ください」と案内しています。特別支給の老齢厚生年金の手続きページでは、受給開始年齢になる前に提出された場合は受け付けられない旨も明記されています。

約3か月前に届くのは、添付書類をそろえたり加入記録を確認したりする時間を確保するためです。届いた時点で提出するものではない、と押さえておくとよいでしょう。

また、特別支給の老齢厚生年金には繰下げの制度がありません。受け取る権利が発生したあとは、速やかに請求するよう案内されています。

4.2 提出してから受け取りが始まるまでの流れ

年金請求書を提出すると、約1か月から2か月後に「年金証書・年金決定通知書」が届きます。

そこからさらに1か月から2か月後に年金の支払いに関する案内が送られ、受け取りが始まります。書類を出してから実際に振り込まれるまでには、数か月の期間を見ておく必要があります。

なお、請求をしないまま受け取れるようになったときから5年を過ぎると、過ぎた分については時効により受け取れなくなる場合があります。手元に届いた書類は、誕生日を迎えるまで大切に保管しておきましょう。

太田 彩子

自治体で保険料の計算を担当していた頃、年金を受け取り始めた方から「思っていた額と違う」という相談を受けることもありました。年金請求書は受け取りの入り口にあたる書類ですので、届いたら生年月日と受給開始年齢をあわせて確認しておくと安心です。