近年増加するひきこもり。実はその年齢も上昇していることをご存知ですか。今年の内閣府の発表(生活状況に関する調査より)によると、40歳から64歳までのひきこもりは、推定61万人いることが発表されました。

広い意味でのひきこもりではありますが、これはかなりの数字といえます。働き盛りともいえるこの年齢の人々が、家の中に籠って生活をしている実態とは一体どのようなものなのでしょう。

いわゆる8050問題に該当する世代

調査によると、ひきこもりをしている人のうち、7年以上その生活をしている人はなんと半数以上。その間の生活を父母が支えている割合は、実に34.1%にも上るといいます。80歳の親の年金で50歳の子供の生活を支えるという現状ですが、10年後にそれがそのまま9060問題となるかというと、そこには親の世代の寿命も問題もでてきます。結果、60歳で収入の途絶えた大人が路頭に迷う状態が、日本のあちらこちらで見られるのではないかと今から予想されています。そんな子供の将来を苦慮し、心中する老人の話題があがるなど、今から課題が山積していることがうかがえます。

寄生先は親だけではない

そして、ひきこもり問題は独身者だけの問題ではありません。実は、この数字の中には既婚者、つまり妻がいるひきこもりの数も含まれているのです。夫、と書きましたがひきこもりをしている人の7割が男性であることから、多くの場合引きこもっているのが妻ではなく夫であると考えられます。それでは、一度は家庭を支え家族を持った人々がどのような原因でひきこもりを始めてしまったのでしょうか。

ひきこもりの原因は

引きこもっている理由の多くは「不登校」、「人間関係がうまくいかなかった」、「受験の失敗」といった若い時代のものに加え、「職場になじめなかった」、「病気」、「リストラ」、「定年退職」といった、比較的年齢があがってから起こるものも上がっていました。どうやら社会に出てからの風当たりの強さに耐え兼ね、外とのかかわりを断ってしまう人が多いようです。

我が子が引きこもる場合、親は自分の子育てを振り返ったり、先生に相談したりしてきました。一方、今まで会社に毎朝出社していた夫が突然引きこもるようになった場合、妻はどのように対応していいかわからないというのが本音です。近年、そういった夫の突然の変化を悩む妻らの多くが、カウンセラーや研究施設に相談に訪れているといいます。

ひきこもり夫はサインを出している?