5. バリュエーション評価:急伸後の任天堂株はどんな水準にあるのか
決算を好感して株価が急伸した銘柄では、直近の株価をもとにした指標が今どのような水準にあるのかを確認しておくと参考になります。
PER(会社予想)は、通期の1株当たり利益予想268.90円をもとに算出すると29.91倍、PBR(実績)は1株当たり純資産2,530.94円をもとに3.18倍となっています。配当利回り(会社予想)は、1株配当予想162円00銭に対して2.01%です。
現在の株価水準を年初来の値幅と比べると、年初来高値10,890円からは約26%低い水準にある一方、年初来安値6,544円からは約23%高い水準まで戻していることになります。8月7日の大幅高は好決算を受けたものですが、株価は年初来のレンジのなかでは中間からやや下寄りの水準にとどまっている点は、押さえておきたいポイントです。
なお、通期の業績計画(売上高2兆500億円、営業利益3,700億円)を踏まえると、今回の1Qで示した27.5%という高い営業利益率が、そのまま通期を通じて続く前提の計画にはなっていません。今回の1Qには関税還付という一時的な要因も含まれているため、この高い利益率が今後の四半期も続くかどうかは、注視していく必要があると考えられます。
6. 記者コメント
任天堂の1Q決算は、減収ながら営業利益が2.5倍に拡大するという内容で、市場からは好感を持って迎えられ、株価は8月7日に前日比5%超の大幅反発、終値ベースの8,000円台回復は7月30日以来約1週間ぶりとなりました。
もっとも、増益の一部は米国の関税還付という一時的な要因によるものであり、同社自身が示す通期の営業利益率計画は今回の1Q実績(27.5%)よりも保守的です。
Nintendo Switch 2は発売から2年目に入り、『ファイアーエムブレム 万紫千紅』(9月発売予定)などのソフトラインアップも控えていることから、今後はハード・ソフトそれぞれの販売動向と、通期計画との整合性を確認していくことが重要になりそうです。
【免責事項】
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください
参考資料
高原 祥子
