そして次は投資家タイプです。筆者の知人にもこのタイプが何人かいます。投資家タイプにも短期トレードを繰り返して100万円→1000万円→1億円と増やしていくタイプと、じっくりと資産形成を続けた結果、株式配当と不動産物件を分散して持っていて、死ぬまで月数百万円が入り続けることが確約された「労働からも時間からも完全に自由」なタイプです。

後者の資産形成をしてお金持ちになったタイプは、何事も長期視点で5年、10年を平気で待ち続ける気の長さを持っています。株も不動産も20年後の収益まで見越して、購入して保有をし続けるという気質です。じっくり育成をするのが好きだからか、ヴィンテージワインを自前の地下室に保有して熟成を待つのを楽しみ、時にはワイナリーごと購入してしまう投資家もいます。

また、お金の使い方も極端に分かれるケースがあり、知人の1人は都内の一等地の駅前の商業ビルを持っていて、大災害が起きない限りは安泰ですから、毎月お金を好きなだけ使い歩いている印象です。生まれた時から親が資産家で、彼女も同様に資産家になってしまったので、「お金は毎日何もしなくても入ってくる」という感覚を持っているのかもしれません。

そしてもう一方はとにかく蓄財に励むタイプです。ビジネスで稼いだ現金をせっせと株や不動産に変え続けるタイプで、投資家でありながら起業家気質の持ち主です。

番外編:突然お金持ちになってしまうパターン

そしてある日突然、お金持ちになってしまうという珍しいパターンもあります。お金持ちと結婚をする、宝くじを当てる、遺産相続を受けるなどです。

これは知人の話ではなく、書籍などで拾い読みした話です。お金持ちと結婚したある女性は、突然の人生逆転ホームランをかっ飛ばした感覚を得たそうです。まさに人生の絶頂という感じだったのでしょう。

しかし、いざお金持ちと結婚したものの、夫はビジネスの中毒者で家庭は二の次三の次…。また、お金も事業や投資に使うので、自由に使えるお金は驚くほど少なく、「将来的な経済不安はないが、お金が自由に使えるわけでもないのでガッカリ」という話です。

そしてこちらも伝え聞いた話で恐縮なのですが、宝くじで1億円近くを当選したある男性がいます。彼はずっとサラリーマンをしていましたが、ある日突然宝くじに当選してお金持ちになりました。宝くじに高額当選をすると「その日から読む本」というタイトルの冊子を受け取るそうで、この冊子には「ローンの返済にあてること」「仕事はすぐに辞めてはいけないこと」などが書いてあるといいます。

男性はネットで「宝くじの高額当選にまつわる話」をくまなくチェックし、「これまでと変わらない生活を送ろう」と決心したのです。口座には現金でたくさんの当選金が入ったままで、投資も起業もせず、ずっとサラリーマンを続けているということです。

このように一口に「お金持ちになる」といっても、様々なパターンや成功者気質があります。一般の人が考えるお金持ちと比べて、意外とジミ、意外と質素だったりすることが多いお金持ちの実態。参考になれば幸いです。

高級フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」代表 黒坂 岳央