不動産売買の契約前には、宅建士による重要事項説明、いわゆる「重説」が行われます。

しかし専門用語が多く、契約直前で時間も限られるため、内容を十分に理解しないまま聞き流してしまう方は少なくありません。

そこで本記事では、宅建士の視点から、後からトラブルにつながりやすい重説のチェックポイントを解説します。住宅選びで後悔しないよう、ぜひチェックしてください。

※本記事に記載の情報は執筆時点によります。

1. この記事でわかる3つのポイント

  •  契約前の大切な説明を聞き流すリスクと注意点の紹介。
  •  道路の権利や境界線など見落としがちなトラブル事例。
  •  事前確認で追加の修繕費や金銭リスクを防ぐ準備法。

2. 【宅建士が解説】重要事項説明書(重説)とはなにか

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metamorworks/shutterstock.com

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重要事項説明書(重説)とは、売買契約や賃貸契約を結ぶ前に、宅建士が買主へ物件や取引条件を説明するための書類です。

登記上の権利関係、法令上の制限、道路やインフラ、契約解除の条件など、購入に関わる重要な情報が記載されています。

重説は契約前の最終チェック資料であり、一度同意すると後から「知らなかった」と主張しても通りにくくなる可能性があります。

3. 【宅建士が解説】重説で聞き流すと危ない項目

ここからは重説で説明される項目のうち、あとからトラブルに発展しやすいものをピックアップして解説します。

3.1 私道負担・接道条件

私道負担は、公道に直接接しておらず接道条件を満たしていない場合や、分譲地内の道路を複数の所有者で使う場合などに生じます。

私道負担がある物件の場合、私道の舗装修繕、清掃などの管理費用は原則として所有者が支払う必要があります。

また、通行やライフライン工事に承諾が必要となりトラブルにつながることも多いため、持分や通行権・掘削権を必ず確認しましょう。

3.2 越境・境界問題

越境とは、塀や屋根、樹木、配管などが隣の土地にはみ出している状態を指します。

境界や越境をあいまいにしたまま購入すると、建て替えや外構工事、将来の売却時にトラブルになることがあります。

測量図や覚書の有無を確認し、誰がいつ対応するのか契約前に整理しておきましょう。

3.3 アスベスト・耐震診断

アスベスト診断とは、建材にアスベストが使われているかを確認する調査です。そして耐震診断とは、建物が地震に対してどの程度の強さを持つかを確認する診断です。

上記の診断の実施は義務ではなく、未実施の場合は「調査なし」「診断なし」と記載されることがあります。

その際は築年数や建材、旧耐震基準かどうかを確認し、必要に応じて専門家による調査や補強費用の見積もりを検討しましょう。

3.4 浸水ハザード

ハザードマップとは、洪水・土砂災害・津波などの災害リスクを地図上で示したものです。

物件周辺に色が付いている場合、浸水や土砂災害などが想定される区域に入っている可能性があります。

ただし、色が付いているから即購入不可というわけではありません。

浸水深や避難経路、過去の被害、保険料への影響などを確認し、どの程度リスクを許容できるか判断することが大切です。