厚生年金の受給額は、加入期間や現役時代の給与・賞与によって大きな差が出る仕組みです。実際に月15万円以上を受け取っている人はどのくらいいるのか、そして理論上の最高額はいくらになるのか、順に確認していきます。
本記事では、厚生年金の最高額の条件と、実際のシニア世代の受給額のリアルな分布を整理します。※本記事は「【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント」の記事を引用のもと作成しています。
1. この記事の3つのポイント
-
8月14日は6月・7月分の年金支給日 -
厚生年金だけの最高額は理論上月約30万円 -
月15万円以上受給者は全体の約半数
2. 8月14日(金)は年金支給日。今回は何月分?
年金は原則、偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日に、前月・前々月の2カ月分がまとめて支払われます。
ただし15日が土日・祝日にあたる場合は、直前の平日に繰り上げられます。2026年8月15日は土曜日にあたるため、今回の支給日は8月14日(金)となり、6月分・7月分の年金がまとめて振り込まれます。
3. 厚生年金だけの最高額は理論上「月額約30万円」、達成する条件とは
厚生年金の受給額は「加入期間」と「現役時代の報酬(給与・賞与)」の2つで決まります。
理論上の上限である月額約30万円に到達するための条件を、順に確認してみましょう。
3.1 条件①:加入期間は16歳から70歳までの54年間
厚生年金に加入できる期間は、原則として16歳から70歳未満までの最長54年間(648カ月)です。
最高額を受け取るには、中学を卒業してすぐに就職し、70歳になるまで1カ月の空白もなく保険料を納め続ける必要があります。
3.2 条件②:給与は54年間ずっと月収63.5万円以上
厚生年金保険料や受給額の計算ベースとなる「標準報酬月額」には上限があります。
現行制度の最高等級(第32級)は65万円で、これに該当するためには月の額面給与(手当等含む)が63.5万円以上である必要があります。
3.3 条件③:賞与は54年間ずっと年間450万円以上
賞与にも上限があり、厚生年金の対象となる標準賞与額の上限は1回あたり150万円(年3回まで)、年間計450万円です。これらをすべて合算すると、必要な年収は次のとおりです。
- 毎月の給与:63.5万円 × 12カ月 = 762万円
- 年間の賞与:450万円
- 必要な年収:約1212万円
16歳から70歳まで54年間にわたって年収約1200万円以上を維持し続けることが、月額30万円受給の絶対条件ということになります。
4. 厚生年金だけで「最高額30万円」は現実的ではない?
「厚生年金だけで月30万円」という数字がいかに破格であるかを理解するために、まずは日本の年金制度の基本である「2階建て構造」と、実際のシニア世代がもらっている「リアルな平均額」を見てみましょう。
日本の公的年金は、よく「2階建て」に例えられます。
- 1階部分:国民年金(老齢基礎年金)
日本に住む20歳以上60歳未満の全員が加入するベースの部分です。
- 2階部分:老齢厚生年金
会社員や公務員が、1階の国民年金に「上乗せ」して加入する部分です。
先ほど算出した「最高額・約30万円」は、あくまで2階部分の厚生年金単体の金額です。
本来であれば、これに1階部分の基礎年金(満額で月約7万円)がプラスされるため、合計で月約37万円になるのが理論上の最高値となります。
4.1 実際のシニア世代の平均受給額は?
では、実際にいまのシニア世代はどれくらい年金をもらっているのでしょうか。厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、実際の平均受給額を見てみましょう。
【平均年金月額】
全体 15万289円
男性 16万9967円
女性 11万1413円
※国民年金部分を含む
これは、厚生年金(国民年金部分を含む)の受給者全体の平均額です。厚生年金の受給権者のうち、月額15万円以上を受け取っている人は全体の約49.8%にのぼり、受給者のほぼ半数が「月15万円以上」を受け取っている計算です。
一方で、理論上の最高額に近い「30万円以上」を受け取っている受給権者はごくわずかで、全体の1万9283人(受給権者全体の約0.1%)にとどまります。「最高額30万円」は制度上あり得る数字ではあるものの、実際にそこへ到達している人はほとんどいない、極めて特殊なケースだということが分かります。
ご参考までに…
仮に厚生年金を最高額となる月額約30万円を受給できた場合、国民年金の満額(令和8年度は約7万円)をあわせると月額約37万円となります。
75歳まで繰下げして最大となる84%増額で月額 約68万円となります。
- 65歳受給開始時:30万円(厚生年金)+ 7万円(国民年金)= 約37万円
- 75歳繰下げ時:37万円 × 1.84(84%増)= 68.08万円 ➔ 約68万円

