2026年8月現在、日本年金機構は、その年の11月に65歳を迎える昭和36年11月生まれの人などに向けて、令和8年度(2026年4月から2027年3月)分の「年金請求書(事前送付用)」の発送を進めています。

65歳到達の約3か月前を目安に、加入記録があらかじめ印字された請求書一式が本人あてに送られる仕組みです。中には年金請求書のほか、記入方法の案内や返信用封筒などが同封されています。

令和8年度の対象は、昭和36年4月2日から昭和37年4月1日生まれの人と、特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生する昭和38年4月2日から昭和39年4月1日生まれの女性です。

この記事では、この請求書に何が入っていて、届いたあとにどのような手続きが必要になるのかを、元公務員の筆者が整理します。

1. 昭和36年生まれ必見「年金請求書」到着の3つのポイント

  •  令和8年度は昭和36年生まれと昭和38年生まれ女性に「年金請求書(事前送付用)」が届く
  •  65歳到達の約3か月前を目安に、加入記録が印字された請求書一式が届く
  •  提出せずに受給権発生から5年が経つと、その分は時効で受け取れない

2. 日本年金機構「年金請求書(事前送付用)」とは

日本年金機構は、老齢年金の受給権が発生する人に向けて、年金加入記録があらかじめ印字された「年金請求書(事前送付用)」を、受給開始年齢に到達する約3か月前を目安に本人あてに送付しています。

2.1 A4サイズの封筒で届く

この請求書はA4サイズの封筒に入って届きます。中身は、加入記録が印字された請求書のほか、記入方法の案内、必要書類の一覧、返信用封筒などです。

表紙には日本年金機構のロゴと「年金請求書」の文字が印刷されていて、DMや一般の郵便物と混ざりにくいつくりになっています。

2.2 年金受給には請求書の提出が必要

日本年金機構が請求書を送っただけでは、年金は自動的に振り込まれません。受給するには、必要事項を記入したうえで年金事務所などに提出する必要があります。

提出先は原則として年金事務所ですが、年金記録が共済組合等の加入期間のみである場合は、加入していた共済組合等に提出することになっています。

3. 令和8年度の発送スケジュール

日本年金機構が公表した令和8年度分の発送スケジュールを見ると、受給開始年齢の到達月に応じて発送月が段階的に設定されていることが分かります。

令和8年度は昭和36年生まれの65歳到達者に順次発送される。誕生月の約3か月前が発送の目安1/1

令和8年度は昭和36年生まれの65歳到達者に順次発送される。誕生月の約3か月前が発送の目安

出所:LIMO編集部作成

3.1 昭和36年生まれの65歳到達者

昭和36年4月2日から昭和37年4月1日生まれの人は、令和8年度中に65歳の誕生日を迎えます。この年代の人には、誕生月の約3か月前を目安に事前送付用の請求書が順次届きます。

たとえば昭和36年10月生まれの場合、2026年10月に65歳を迎えるため、その約3か月前の2026年7月ごろに事前送付用の請求書が発送された形です。

3.2 昭和38年生まれ女性の特別支給該当者

昭和38年4月2日から昭和39年4月1日生まれの女性は、特別支給の老齢厚生年金の受給権が63歳到達で発生する経過措置の対象です。

この年代の女性のうち、厚生年金や船員保険の加入期間が1年以上あるなどの要件を満たす人には、63歳到達の約3か月前を目安に請求書が届きます。

なお、対象者に該当しない場合は事前送付が行われないため、加入記録に不安があれば「ねんきん定期便」や日本年金機構の窓口で確認しておくと安心です。

4. 請求書を提出しないと年金は受け取れない

事前送付は「あなたに受給権が発生します」というお知らせを兼ねていますが、請求書を提出しないかぎり年金は支給されない仕組みです。

4.1 受給権発生から5年で時効

日本年金機構によると、年金を受けられるようになったときから5年を過ぎると、5年を過ぎた分の年金については時効により受け取れなくなる場合があります。

65歳の誕生日を過ぎたあとに請求書を放置していると、時間の経過とともに受け取れる金額が減っていくおそれがあります。

4.2 繰下げ希望なら66歳以降に別ルート

65歳から受給を始めず、あえて繰下げによって年金額を増やしたいという方もいます。繰下げを希望する場合は、事前送付用の請求書に付属している「繰下げ希望欄」を利用する方法や、66歳到達以降に改めて手続きをする方法が用意されています。

繰下げには1か月あたり0.7%の増額メリットがある一方で、受給開始が遅れる分の総受給額が回収できるまでに時間がかかる点や、加給年金・振替加算に影響が及ぶ場合がある点には注意が必要です。

判断に迷うときは、年金事務所や街角の年金相談センターに事前に相談する方法もあります。

太田 彩子
請求書は届いた時点で年金の受給権が確定しているサインです。書類は多く見えますが、記入前に本人確認書類・振込口座・加入記録の履歴を手元にそろえておくと、記入がスムーズに進みます。