65歳の誕生日を迎えたのに「年金が振り込まれない」と不安になっていませんか?実は、年金は65歳になったからといって自動的に振り込まれるものではありません。受け取るためには、必ずご自身での「請求手続き」が必要です。

さらに、手続きを済ませても即座に入金されるわけではなく、初回振込が「誕生日の3カ月後」になることも珍しくありません。

この記事では、年金の基本手続きと気になるシニア世代の「平均年金受給額」、そして振り込みまでに時間がかかる理由を分かりやすく整理して解説します。

1. この記事のポイント

  •  年金は自動で始まらない:65歳になる3カ月前に届く「年金請求書」の提出が必須
  •  シニアの平均年金月額:厚生年金は約15.1万円、国民年金は約5.9万円
  •  「65歳になる日」は誕生日の前日:法律上のルールにより「1日生まれ」は支給開始が1カ月早まる
  •  振り込みは「偶数月の15日」:前月・前々月の2カ月分がまとめて支払われる仕組み

 

2. シニア世代は実際いくらもらってる?平均年金受給額

年金の手続きを進めるにあたって、まず気になるのが「実際にいくら支給されるのか」という点ではないでしょうか。厚生労働省の最新データによると、公的年金の平均受給額(月額)は以下の通りです。

平均年金月額(厚生年金)2/4

平均年金月額(厚生年金)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 国民年金(老齢基礎年金):平均受給額(月額)約5.9万円 主な対象者:自営業・フリーランス・専業主婦(主夫)など
  • 厚生年金(老齢厚生年金):平均受給額(月額)約15.1万円 主な対象者:会社員・公務員など(国民年金分を含む)

年金は原則として「2カ月分まとめて」振り込まれます。そのため、厚生年金の平均額(約15.1万円)で試算すると、1回の振込日に口座へ入る金額は約30万円強(初回で3カ月分支払われる場合は約45万円超)となる計算です。

公的年金制度や年金額についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

和田 直子
平均額を見て「多い」「少ない」と感じ方は人によって異なるかもしれません。ただ、公的年金はあくまで老後生活を支える土台であり、そのうえに退職金や個人の資産形成を組み合わせて考えることが大切です。

まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、自分自身の年金見込み額を確認しておくと、その後のマネープランを立てやすくなります。

3. 年金は「請求」しないと受取権を失うことも

年金は、受給する権利(受給権)が発生しても自動で口座には振り込まれません。

65歳に達する3カ月前になると、日本年金機構から自宅へ「年金請求書(事前送付用)」が届きます(例:11月生まれの方には8月頃)。

この書類に必要事項を記入し、誕生日の前日以降に添付書類とともに年金事務所へ提出することで、はじめて支給手続きが始まります。

なお、年金の「時効」は5年です。

受給権が発生してから5年を過ぎると、時効により過去の年金を受け取れなくなる可能性があります。届いた請求書は放置せず、速やかに手続きを行いましょう。

4. 請求書の提出から振込までの流れ

請求書を提出してから実際に口座へ入金されるまでには、一定の事務処理期間がかかります。

  1. 年金請求書の提出
  2. 約1〜2カ月後:「年金証書・年金決定通知書」が届く
  3. さらに1〜2カ月後:「年金振込通知書」が届き、初回振込

提出から初回振込までは合計2〜4カ月ほどかかります。「誕生日を過ぎたのに何も振り込まれない」と感じても、提出済みであれば手続きは進んでいますのでご安心ください。

ここまでの内容を押さえておけば、年金の請求から受け取りまでの基本的な流れはひと通り理解できたはずです。あとは、届いた請求書に早めに対応することが何よりのポイントになります。

和田 直子
年金の手続きは、要点を知っておけば身構えるほど難しいものではありません。ポイントは「請求書が届いたら早めに内容を確認し、必要書類をそろえて提出する」というシンプルな一点です。

誕生日が近づいてきたら、まずは自分に届く書類の種類とタイミングを把握しておくと、落ち着いて対応できるでしょう。