これを超えた場合については延長保育として延長保育料が必要となります。延長保育料については、各施設によって異なっており、たとえば筆者の場合、7時から18時までが標準保育時間で、プラス1時間の延長保育料月額5,000円を支払い19時まで預けられるようにしています。この延長保育料については、10月以降も継続してかかってきます。

給食費についても対象外

また、給食費についても無償化の対象ではないので、各施設が定めた給食費が徴収されます。これまで、認可保育施設については、主食費と副食費が保育料に含まれる形で保護者が負担していました。無償化実施後は、副食費については保育料とは区別され、主食費と合わせて施設が徴収することになります。

徴収金額は、主食費は施設ごとに設定した金額(国が示す金額3,000円/月)、副食費は4,500円(国が示す金額4,500円/月)となります。たとえば、筆者が利用する保育園に関しては、10月以降の給食費は月額6,500円と提示がありました。

すなわち、保育料無償化とはいうものの、筆者のケースだと、延長保育料と給食費合わせて月額11,500円が継続して必要となるということです。

消費税増税が家計に与える影響は?

保育料無償化は嬉しいニュースであるものの、その財源の一部は10月からの消費税増税によってまかなわれるのを忘れてはいけません。

この10月から消費税が8%から10%に上がりますが、それによる家計への影響はどうでしょうか。総務省の2018年度家計調査による2人以上の世帯の年間家計消費支出のデータをもとに、非課税品目と軽減税率を考慮した上で計算すると、年収によって支出金額は異なりますが、ざっくりですが月額3,000円~5,000円程度支出が増える見込みとなります。

このように、無償化だけに注目すると、全額ではないにせよ月々の負担が減ることになりますが、消費税増税などを含めて考えると、この10月を機に家計の見直し・整理をすることが重要となってきます。

月々の保育料負担が減る分、少し生活に余裕が出ると考え、気付かないうちに財布のヒモが緩み、支出が多くなってしまいがちです。そうならないためにも、重要なのは、月々の負担軽減分が果たしていくらになるのかを把握し、その軽減分をどう活用するかの方向性を決めることです。

ただ保育料負担が減って家計が楽になったと喜ぶのではなく、ご家族の理想の生活を実現するために、「教育費の準備」「住宅購入・ローン返済」「老後の準備」など経済的な目標に優先順位を付け、それぞれの期間や金額に合わせた貯蓄計画につなげてほしいと思います。

渡邊 裕介