7月7日に厚生労働省が公表した「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年5月分結果速報」によると、常用労働者1人当たりの平均賃金を示す就業形態計の現金給与総額(規模5人以上)は31万1165円(前年同月比3.2%増)、一般労働者では40万312円(同3.5%増)、パートタイム労働者では11万3759円(同1.5%増)となりました。
就業形態や職種、業界ごとに異なる賃金動向が明らかになる中、日本の労働市場全体における給与所得者の実質的な所得格差やキャリア別、そして男女別の平均的な給与分布の実態に関心が集まっています。
国税庁が公表した「令和6年分民間給与実態統計調査」によれば、日本国内における給与所得者の平均給与は477.5万円です。
これを男女別に分類すると、男性の平均給与は586.7万円、女性は333.2万円となっており、男性の数値は全体の平均水準を大きく上回っています。
本記事では男性の給与データに着目し、ひとつの大きな目安となる「年収1500万円」の実態について詳しく紐解いていきます。
1. この記事の3つのポイント
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年収1500万円超の男性はわずか2.7%という現実 -
男性の平均給料は50代後半に734万6000円で最高額を迎える傾向 -
金融やインフラなど働く業界の違いで平均給与に500万円以上の格差
2. 【男性】年収1500万円超を達成している割合は?
給与階級別の分布から男性のデータに絞って集計を見ると、年収1500万円超の層が占める割合は2.7%となっています。
男女を合わせた全体での数値(1.7%)と比較すると、男性は高い割合を示していることが分かります。一方で女性の場合、年収1500万円超の割合は0.5%にとどまっており、同じ年収水準であっても性別間で大きな開きが存在しています。
3. 男性の平均給与における年齢別の推移
男性の給与額を年齢階層別に追っていくと、加齢とともに伸びていく明確な右肩上がりの傾向が確認できます。
具体的な推移を見ると、25〜29歳では437.6万円ですが、30〜34歳で511.6万円、40〜44歳で629.5万円、50〜54歳で708.5万円と順調に拡大し、55〜59歳で734.6万円の最高値に達します。この50代後半のタイミングで、男性の平均給与は1500万円を突破する水準となります。しかし、役職定年や定年を迎える60〜64歳になると、604.4万円まで大幅に減少する点が特徴的です。
これに対し、女性の平均給与は25〜29歳の370.1万円が最高となっており、それ以降の年齢層では350〜370万円台での推移が続きます。45〜49歳(368.6万円)の段階でも同様の水準であり、男性に見られるような50代での著しい給与上昇は確認できません。
4. 業種によって生じる平均年収の格差
年収1500万円を目指すにあたっては、選択する「業種」が極めて大きな意味を持ちます。最も平均給与が高い業種と最も低い業種の差額は、実に約553.1万円に上ります。
全14業種の中で、平均給与の上位3業種は以下の通りです。
- 1位:電気・ガス・熱供給・水道業(832.4万円)
- 2位:金融業・保険業(702.3万円)
- 3位:情報通信業(659.5万円)
男性のみのデータに限定すると、金融業・保険業が898.1万円、電気・ガス・熱供給・水道業が878.5万円となり、いずれも900万円に近い高水準を記録しています。
一方で、平均給与が低い下位3業種は以下の通りです。
- 12位:サービス業(389.1万円)
- 13位:農林水産・鉱業(347.9万円)
- 14位:宿泊業・飲食サービス業(279.3万円)
このように、自身が属する業界や転職先として選択する業種によって、年収1500万円という目標に到達できる可能性は大きく変わると言えます。
年収1500万円という数字は、多くの方にとって一つの憧れの水準ですが、今回のデータが示すように、到達しているのは男性でも2.7%に過ぎません。到達の可否は、年齢や業種といった構造的な要因に大きく左右されるため、「自分の頑張りが足りないから届かない」と過度に自分を責める必要はありません。
むしろ大切なのは、年収の絶対額だけでなく、そこから得た収入をどう活かすかという視点です。年収が高い時期に貯蓄や投資に回せる金額を最大化しておくことで、給与がピークを過ぎて減少する60代以降の生活にも備えることができます。
特に50代後半でピークを迎えた後の落ち込みは、多くの方が想定以上に大きく感じるポイントです。収入がピークにあるうちから、将来の減少を見込んだ資産形成を進めておくことをおすすめします。




