ひきこもりというと子どもの不登校を想像する方が多いかもしれません。しかし、世の中には、一度社会に出たものの何らかの事情で退職をし、そのまま戻れなくなった『大人のひきこもり』が存在します。

家から出ることを望まない大人たちには、どのような背景や問題があるのでしょうか。その打開策と合わせてみていきましょう。

8050問題とは何か?

「8050問題」という言葉をご存知でしょうか。これは、「80代の親が、50代無職でひきこもり状態の子を支える」という状態を問題視した言葉。今の日本では、この8050問題が深刻になっているのです。

ここで、2019年3月に内閣府が公表した「生活状況に関する調査(平成30年度)」をもとにひきこもりの現状をみてみましょう。同調査の推計では、40~64歳人口(総務省『人口推計2018年』によると4235万人)中、広義のひきこもりは61万3000人とされています。このうち、約半数が7年以上もひきこもりを続けています。
また主な生計者は、父が21.3%、母が12.8%となっており、計34.1%が父か母に支えてもらう生活を送っているようです。

(「広義のひきこもり群」とは、「自室からほとんど出ない」「自室からは出るが、家からは出ない」「近所のコンビニなどには出かける」「趣味の用事のときだけ外出する」に当てはまる人で、その状態が6カ月以上続いている者のことを指す。しかし病気である場合や、妊娠、育児、介護、専業主婦・主夫などで6カ月以内に家族以外の人と会話した人を除外。また在宅ワーカーや自営業なども除く)

ひきこもりの事例