9. 【コラム】半数以上の高齢者が「生活は苦しい」と感じる背景
厚生労働省の「2025(令和7)年 国民生活基礎調査」で高齢者世帯の暮らし向きを見ると、厳しい現実が浮かび上がります。
「大変苦しい」(21.0%)と「やや苦しい」(31.1%)を合わせると52.1%となり、半数を超える高齢者世帯が生活に経済的な厳しさを感じています。
一方、「ゆとりがある」と答えた世帯は合計でも5.4%にとどまり、経済的な余裕を感じている世帯はごく少数です。
物価高が続くなか、会社員より年金の上乗せが少ないフリーランスほど、老後の家計への影響は大きくなりやすいといえるでしょう。
10. さいごに
高齢者世帯の半数以上が「生活が苦しい」と感じている今、国民年金だけでゆとりある老後を送ることは容易ではありません。
特に、会社員のような厚生年金や退職金がないフリーランスにとって、将来を守るためには現役のうちから備えることが重要です。
65歳はまだ先のように感じるかもしれません。しかし、資産形成において最大の味方になるのは「時間」です。
インフレによって預貯金の価値が目減りする可能性もあるなか、「付加年金」で着実に増やす、「国民年金基金」で終身の収入を確保する、「iDeCo」の税制優遇を活用して資産形成を進めるなど、自分に合った方法で"自分年金"づくりを始めることが大切です。
高齢者世帯の半数以上が生活の苦しさを感じている今、公的年金だけに頼る老後は決して安心とはいえません。
インフレが続くなか、今回紹介した制度を活用して「自分年金」を育てていくことは、将来への大きな備えになります。
まずは無理のない金額から始めてみましょう。自由な働き方を長く続けていくためにも、今日からできる備えを少しずつ積み重ねていくことが大切です。
11. 筆者からのコメント
長寿化が進むなかで、老後の暮らしを守るための強力な戦略となるのが、高齢期も無理のない範囲で就労を継続するアプローチです。
実は、働きながら厚生年金を受け取る際の支給停止基準(在職老齢年金)は、2026年度(令和8年度)から月額65万円へと大幅に引き上げられました。
これにより、現役並みに稼いでも年金がカットされにくくなり、生涯働くことの経済的メリットは飛躍的に高まっています。
「就労収入(Work)」で貯蓄の取り崩しを遅らせながら、「公的年金(Pension)」と「私的年金(Private pension)」の併給で資産寿命を最大限に延伸する「WPP理論(WPP戦略)」は、現代の生活防衛における非常に効果的な手法です。
若いうちから正しい仕組みを理解し、暮らしを守るセーフティネットを組み立てていきたいものです。

