3. 【繰下げ受給】66~75歳の間、何歳で何パーセント増額されるのか「繰下げ増額率早見表」で見る
年金を増やす方法の一つとしてあるのが繰下げ受給です。年金は、受け取り始める時期を遅らせることで、金額を増やすこともできます。
老齢年金は66歳から75歳までの間で受給開始を遅らせることができ、1か月遅らせるごとに0.7%増えます。
以下の表で、何歳だとどれくらい増額されるのかを確認しましょう。
3.1 繰下げ増額率早見表
最も遅い75歳まで繰り下げた場合、増額率は84%にのぼります。また、老齢基礎年金と老齢厚生年金は、別々に繰り下げることもできます。
もっとも繰り下げているあいだは年金を受け取れませんし、その間の生活費は別に用意しておく必要があります。長く働いて収入があるうちは繰り下げる、というのも一つの考え方でしょう。
また、いつから受け取るのが自分にとってよいかは、健康状態や働き方によって変わってきますので、個々人で慎重に検討する必要があります。
4. 「繰下げ見込額のお知らせ」で、増える額を確かめる
繰下げを検討するとき、頼りになるのが日本年金機構から届く「繰下げ見込額のお知らせ」です。これは、年金を繰り下げて受け取り始めた場合に、年金額がどのくらい増えるのかを、事前に知らせてくれる通知です。
対象となるのは、昭和27年4月2日以降に生まれ、老齢年金(老齢基礎年金または老齢厚生年金)をまだ受け取っていない方などです。66歳から74歳までの間、毎年、誕生月の初旬(1日生まれの方は前月の初旬)に送られてきます。ただし、遺族年金や障害年金を受け取っている方は送付の対象外です。
お知らせには、繰り下げた場合の年金見込額のほか、これまでの年金加入期間などが記載されています。「あと何年待てば、いくら増えるのか」を具体的な数字で確認できるので、繰下げを迷っている方にとっては、判断の材料の一つになります。
届いた通知はしまい込まず、その場で見込額に目を通しておきたいところです。数字を見比べたうえで、いつから受け取り始めるのが自分に合っているのかを、健康状態や働き方とあわせて考えていきましょう。
5. まとめにかえて:元銀行員の視点から
繰下げ受給を考える際には「増える額」と「待つ間のコスト」の両面で考えましょう。1か月0.7%の増額は有難いですが、繰り下げているあいだは年金が入らず、その間の生活費を別に用意しておく必要があります。
「繰下げ見込額のお知らせ」で、いつから受け取ればいくらになるのかを具体的な数字で見比べ、ご自身の健康状態や働き方とあわせて判断しましょう。平均や噂ではなく、自分の見込額という一次情報を出発点にすること。それが、後悔の少ない選び方につながっていくでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和7(2025)年簡易生命表の概況」
- 日本年金機構「老齢年金の繰下げ受給を希望している方へのお知らせ」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「老齢年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「繰下げ見込額のお知らせ(対象者)」
石津 大希


